顧客接点の業務もローコードで省力化、キヤノンITSの直感的な新開発基盤:製造ITニュース
キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は2022年11月25日、ローコード開発プラットフォーム「WebPerformer-NX」を販売開始すると発表した。提供開始日は2023年1月下旬ごろの予定。
キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は2022年11月25日、ローコード開発プラットフォーム「WebPerformer-NX」を販売開始すると発表した。提供開始日は2023年1月下旬ごろの予定。
豊富な部品を直感的に組み合わせる
WebPerformer-NXは事業機会の創出や、フロントオフィス業務における業務の省力化などを主に支援するプラットフォームとして開発されたサービスである。従来のローコード開発プラットフォーム「WebPerformer」は主にバックオフィスにおける生産性拡大などを目的としていたが、これに対して差別化がなされている。
サービスのコンセプトとしては、「クリエイティブである」「アジリティに優れている」「ガバナンスが効く」の3つを掲げている。アプリケーション開発のための豊富なUI(ユーザーインタフェース)部品がそろっており、複雑なシステムも開発もローコードで行える仕組みが用意されている。Webブラウザがあれば、デスクトップ向け、スマートフォンなどモバイル端末向けのアプリのどちらでも、すぐにアプリ開発を進められる。
開発は、UI部品群から必要な部品を画面上でドラック&ドロップして配置するという直感的な操作で行う。アプリケーションは外部サービスや自社の基幹システムなどともAPIで連携できる。モバイル向けアプリケーション開発では、端末に入っている地図やカメラといったアプリケーションと連携したアプリケーションを作ることも可能だ。
例えばアプリケーション上に地図を配置して、外部の経路探索サービスと連携することで、現在地から保守点検を行う顧客の住所までの経路が自動で表示されるアプリケーションの機能を作成することも可能だ。さらに、顧客データや取引量を可視化する、顧客ごとのロイヤルティー管理を行うといった機能も作れるという。
また、社内DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展や社会環境の変化に応じて、アプリケーション作成後に機能を変更するといった事態も想定されるが、キヤノンITSでは「アジャイル開発支援サービス」を提供することで、こうしたケースへの迅速な対応を実現するサポートも提供できるとしている。さらに、アプリケーションが乱立することを防ぐためにIT部門によるガバナンスを効かせる仕組みや、ワークフローによるエディタツールなども用意されている。
提供形態はすぐに試用できる無料プランの他、20〜100人程度の利用を想定したBasicプラン、部署や全社規模以上での導入を想定したプランなどが用意されている。利用金額はBasicプランの年間契約で月額14万円(税別)を想定する。現在、WebPerformerは1327社が導入しているが、WebPerformer-NXの投入によって将来的に合わせて2000社以上の導入を目指すという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 「現場でAIを作る時代」が来るか、ノーコード開発ツールの可能性
AI insideは2021年4月21日、プログラミングの非専門家でも簡単にAIモデルを作成できるノーコードAI開発クラウドサービス「Learning Center」を提供開始した。同サービスの特徴やノーコード開発ツールの可能性について、同社 代表取締役社長 CEOの渡久地択氏に話を聞いた。 - ローコード開発が、環境変化に対応しやすく陳腐化しにくい基幹システムを作る
製造業でも多くの関心が寄せられている「DX」。本連載では、DX基盤を構築したその先で、具体的に「何が実現できるのか」を紹介する。最終回のテーマは「ビジネス環境への対応」だ。現場ニーズに即しつつ、ソースコードに極力手を加えずに基幹システムの追加機能を開発する上で、「ローコード開発」の意義に注目したい。 - LIXILがノーコード開発で目指す「デジタルの民主化」、9カ月で680のアプリが稼働
グーグル・クラウド・ジャパンがノーコード開発環境「AppSheet」の事業展開について説明。会見にはLIXIL 常務役員 デジタル部門 システム開発運用統括部 リーダーの岩崎磨氏が登壇し、2021年10月に社内導入を始めてから1年弱での成果を紹介した。 - モバイルアプリ作成ツールを活用した報告アプリで、工場の安全性が向上
アステリアが提供するノーコードのモバイルアプリ作成ツール「Platio」を、豊通リサイクルが導入した。同ツールを活用して作成した「ヒヤリハット報告アプリ」により、工場の安全性が向上している。 - NECがシーメンスと提携拡大、ローコード基盤「Mendix」の国内販売開始
NECは2021年6月14日、シーメンスと提携して、ローコードプラットフォーム「Mendix」の国内販売事業を同年同月から開始すると発表した。NECはローコードやノーコード開発への対応を強化していく方針だ。 - 製造現場でアプリを作る、ローコード開発が現場にもたらすメリット
自分たちの手で作るという発想があってもよい時代になっています。