NECがシーメンスと提携拡大、ローコード基盤「Mendix」の国内販売開始:製造ITニュース
NECは2021年6月14日、シーメンスと提携して、ローコードプラットフォーム「Mendix」の国内販売事業を同年同月から開始すると発表した。NECはローコードやノーコード開発への対応を強化していく方針だ。
NECは2021年6月14日、シーメンスのローコードプラットフォーム「Mendix」の国内販売を開始すると発表した。NECとシーメンスは2020年3月に、NECのAI(人工知能)技術「インバリアント分析技術」とシーメンスのIoT基盤「MindSphere」を組み合わせた監視・分析ソリューションの提供で提携しており、今回のMendixの国内販売でさらに提携範囲を拡大することになる。NECはMendixの販売によりローコードやノーコード開発への対応を強化していく方針。販売目標は3年間で100システムとしている。
ガートナーが2年連続「リーダー」に選出
ローコードプラットフォームは非ITエンジニアである現場担当者やアナリストなどの「市民開発者」が、現場のニーズに応じて簡単かつ迅速にアプリケーション開発を行えるようにするシステム基盤である。開発ライフサイクル全般を提供する他、アプリケーションのモニタリングや継続的な開発を行うための機能を持つ。
Mendixは市民開発者がアプリケーション開発を行うための開発環境や、マルチクラウドやハイブリッドITに適した運用環境を提供する。世界中で1000社以上の導入実績を持ち、ガートナーが発表した「Magic Quadrant for Enterprise Low Code Application Platforms」で2年連続「リーダー」と評価するなど、Mendixはローコードプラットフォーム市場において一定の存在感を持つ。
一方、NECはオープンシステム向けの業務システム開発基盤である「SystemDirector Enterprise」を用いたシステム構築支援や、アジャイル開発のコンサルティングや導入支援、教育に関する知見を蓄積している。これらの知見にMendixを組み合わせて提供することで、「最小限のコーディングで素早く開発可能なローコードプラットフォームベースのシステム基盤が実現できる」(プレスリリース)という。
NECは企業や官公庁など、それぞれの業種別に最適化した画面テンプレートやデータモデルデータ連携用のコネクターなどのAPIも提供する。これによって、ニーズに応じて画面デザインの変更や機能拡張が容易に行える。また、社内システムのモダナイゼーション向けに標準ガイドラインや設計開発手法、再利用かぬなモジュールなども充実させるという。
販売価格はシステムの利用形態によって異なるが、一例として、ユーザー10人によるアプリケーションのプロトタイプ検証は年間約160万円(税別)。社員100人で取引先5000人が利用するポータルサービスを運用する場合は同約700万円(同)としている。
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