検索
ニュース

水素エンジンの改良続く、ハイエースに搭載した走行実証も電動化

トヨタ自動車はスーパー耐久シリーズ2023の最終戦に、液体水素で走行する「水素エンジンカローラ」と、カーボンニュートラル燃料で走行する「GR86 CNF Concept」で参戦した。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 トヨタ自動車は2023年11月11〜12日、スーパー耐久シリーズ2023の最終戦「第7戦 S耐ファイナル 富士4時間レース」に、液体水素で走行する「水素エンジンカローラ」と、カーボンニュートラル燃料で走行する「GR86 CNF Concept」で参戦した。ST-QクラスでGR86 CNF Conceptは2位、水素エンジンカローラも完走した。


水素エンジンカローラ[クリックで拡大] 出所:トヨタ自動車

 水素エンジンカローラは、2023年5月から液体水素を燃料に使用している。5月の時点では1回の水素補給で走行できる最大の周回数は16周だったが、水素の満タン判定の精度向上やタンク内への入熱低減によるボイルオフガス量の抑制、アクセルが全開ではない時の燃料噴射量最適化などの改良を行い、1回の水素補給で走行できる周回数を20周に増やすことを目指した。

 また、高出力化の実現に向けて液体水素ポンプの昇圧性能と耐久性を向上させ、ガソリンエンジンや気体水素を燃料とする場合と同等の出力を達成した。

 安心安全を最優先しながら軽量化できる部品を特定。タンクや安全弁、ボイルオフガス弁、ロールケージ、高圧部水素系部品などの軽量化により、2023年7月時点から50kgの重量減を図った。車重は1860kgだ。

軽量化した部品の例[クリックで拡大] 出所:トヨタ自動車

 CO2回収技術も取り入れた。エアクリーナー入り口にCO2を吸着する装置を設置し、その隣にエンジンオイルの熱でCO2を脱離する装置も設けた。脱離したCO2は吸着溶液のタンクで回収する。従来よりも低温でCO2を脱離できるよう、川崎重工業が開発した吸着剤を採用し、CO2の回収効率を高めるという。

ハイエースに水素エンジン

 スーパー耐久シリーズで開発を重ねてきた水素エンジンを「ハイエース」に搭載し、民間企業で使ってもらう走行実証もオーストラリアで始めた。気体水素を燃料とする水素エンジンを使用し、建設会社や警備会社で運行する。期間は2023年10月〜2024年1月の4カ月間だ。モータースポーツだけでなく、公道での使用環境でも実用性や運転操作性、耐久性などを検証し、将来の実用化につなげる。


水素エンジンを搭載したハイエース[クリックで拡大] 出所:トヨタ自動車

→その他の「電動化」関連記事はこちら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る