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手に乗るサイズの燃料電池を開発中、小型モビリティの電源も視野電動化

トヨタ紡織は「人とくるまのテクノロジー展 2023 横浜」において、燃料電池を使ったモバイルバッテリーを展示した。

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 トヨタ紡織は「人とくるまのテクノロジー展 2023 横浜」(2023年5月24〜26日、パシフィコ横浜)において、燃料電池を使ったモバイルバッテリーを展示した。

 燃料電池の部品を開発、生産する中で培ったコア技術を活用してモバイルバッテリー向けのモジュールを開発中だ。今後、小型の水素ボンベなど手軽に水素を入手できるインフラが整い、水素の活用が広がることを見込んで開発を進めている。会場ではタブレット端末など小型の電子機器の電源として使えることを実演したが、将来に向けて電動キックボードや電動アシスト付き自転車など小型のモビリティの駆動用バッテリーとしての活用も検討する。


燃料電池を使ったモバイルバッテリーを展示した。青い入れ物が低圧の水素キャニスターだ[クリックで拡大]

 展示したモバイルバッテリーでは、高圧ガスに該当しない汎用の低圧水素タンク(キャニスター)を採用した。これにより、持ち運びや水素タンクの交換が容易になる。1つの水素タンクで1〜2時間の充電が可能で、現時点では出力が数十ワットだ。燃料電池の構成部品の製造や組み付けはトヨタ紡織で行った。

 今後はモバイルバッテリーを自転車や電動キックボードに搭載して、使用に差し支えないサイズに小型化することが課題だ。また、モビリティの駆動用バッテリーとして使用するには出力や発電効率の向上も求められる。現在は開発中で、燃料電池車(FCV)のように作り込まれた発電効率ではないため、改善の余地があるという。

 現在、モバイルバッテリーに使用している空気のチューブや継手の径が小さいため、長時間停止してから再起動する際にはシリンジで空気を押し込む必要がある。発電を始めると空気を吸い込むことができる。モビリティの駆動用バッテリーとして使う場合は、走行風を利用できるため、空気の供給は大きな課題にはならないと見込む。


モバイルバッテリーの内部[クリックで拡大]

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