リチウムイオンキャパシターを搭載した燃料電池ドローンが試験飛行に成功:電動化
ジェイテクトは2022年6月20日、同社製のリチウムイオンキャパシターを搭載した燃料電池ドローンが試験飛行に成功したと発表した。燃料電池ドローンはロボデックスが開発したもので、「Japan Drone2022」(2022年6月21〜23日、幕張メッセ)に出展する。
ジェイテクトは2022年6月20日、同社製のリチウムイオンキャパシターを搭載した燃料電池ドローンが試験飛行に成功したと発表した。燃料電池ドローンはロボデックスが開発したもので、「Japan Drone2022」(2022年6月21〜23日、幕張メッセ)に出展する。
飛行テストは2022年6月16日に実施。30分間の飛行を複数回繰り返すことに成功し、長距離飛行への手応えを得た。今後さらに改良を重ねて、同年10月に長距離飛行テストを実施する予定だ。
ジェイテクトのリチウムイオンキャパシターは、燃料電池が苦手とする大出力の電力供給や、電力の変動を吸収する役割を担う。目標高度までの急上昇や加速時の電力をアシストするとともに、燃料電池の劣化抑制にも貢献する。さらに、ドローンの電源が失陥した場合には、不時着用のバックアップ電源としても動作させる。リチウムイオンキャパシターを追加することで、ドローンの電源電圧を48Vから最大65Vまで昇圧でき、最大出力も2400Wから3250Wまで引き上げる。
燃料電池ドローンでは、自動車向けの補助電源システムの開発で培ったノウハウが生かされている。自動車向けの補助電源システムは、電動パワーステアリングを搭載した大型の乗用車において、駐車時などでの操舵アシストに必要になる電圧を補う目的で開発した。従来の補機用の12Vのバッテリーに、リチウムイオンキャパシターで6Vを付加し、システムの高出力化を図る。自動運転車のバックアップ電源としても機能する。
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