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水素エンジン車がダカールラリーに、二輪4社の研究組合が参戦ジャパンモビリティショー2023

技術研究組合水素小型モビリティ・エンジン研究組合は「ダカールラリー」に水素エンジン車「HySE-X1」で参加する。

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 技術研究組合水素小型モビリティ・エンジン研究組合(HySE、Hydrogen Small mobility & Engine technology)は2023年10月18日、「ダカールラリー」(2024年1月5日〜1月19日、サウジアラビア)に水素エンジン車「HySE-X1」で参加すると発表した。

 参加するのは新カテゴリーの「Mission 1000」だ。同カテゴリーは、水素エンジンやハイブリッド車など電動パワートレイン、バイオ燃料の活用など次世代パワートレインの技術開発を自動車メーカーに促す「Dakar Future Program」の一環で導入された。

 小型モビリティで過酷なダカールラリーに参加することで、現状では未知の、想像が難し課題を抽出し、水素エンジンの基盤技術構築を加速させる。また、ダカールラリーに参戦することでHySEの取り組みをアピールする。

 HySE-X1は、ベルギーのレーシングチームで参戦の協力会社となるオーバードライブレーシングの車体フレームをベースに、水素燃料タンクや燃料供給系統の設置のためレイアウト変更を行って車体としている。使用するエンジンは、HySEが研究活動に使用する二輪車用の水素エンジンだ(水冷4ストローク直列4気筒スーパーチャージドエンジン、排気量998cc)。現地での水素補給やメンテナンスなどの作業もオーバードライブレーシングが協力する。

 HySE-X1の車両サイズは全長3530×全幅2070×全高1700mm。車両重量は1500kgとなる。モックアップが「JAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパンモビリティショー、旧東京モーターショー)」(プレスデー:10月25日〜26日、一般公開日:10月28日〜11月5日、東京ビッグサイト)のモータースポーツプログラムブースにおいて展示される。


参戦車両のHySE-X1[クリックで拡大] 出所:ヤマハ発動機

二輪車メーカー4社で立ち上げたHySEとは?

 HySEはカワサキモータース、スズキ、ホンダ、ヤマハ発動機の二輪車メーカー4社によって設立された。理事長はヤマハ発動機 執行役員の小松賢二氏。特別組合員として、川崎重工やトヨタ自動車も参加している。HySEでは二輪車の他、軽四輪や小型船舶、建設機械、ドローンなどの「小型モビリティ」を対象に水素エンジン搭載の可能性を模索する。

 HySEでは水素エンジン本体と水素充填システムに分けて、テーマごとのワーキンググループで研究を進めている。水素エンジン本体は、シミュレーション活用に力を入れる。カワサキモータースが多気筒エンジン、ヤマハ発動機が単気筒エンジンの実機研究を主導しており、シミュレーション活用にも力を入れるため、ホンダは実機と要素部品のモデルを連携させたモデルベース開発(MBD)を推進する。スズキは要素部品の実験を通じてモデル構築をリードする。実機と連携しながらシミュレーションの精度を高める。

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