男性ビジネスパーソンの90%が「男性も積極的に育休を取るべき」と回答:キャリアニュース
ワークポートが「男性の育休に対する意識」についての調査結果を発表した。90.4%が「男性も積極的に育休を取るべきだ」と考え、86.6%が「子どもが生まれたら育休を取得したい」と回答した。
総合転職エージェントのワークポートは2023年10月5日、「男性の育休に対する意識」についてのアンケート調査結果を発表した。同調査の対象者は、同社を利用している全国の20〜40代の男性ビジネスパーソンで、270人から有効回答を得た。
2022年10月に男性が育休を取得しやすくするための法改正として「産後パパ育休(出生時育児休業)制度」が施行された。そこから1年が経過した現在の男性ビジネスパーソンの「育休取得」について、1年前に同社が実施した調査と比べながら現状を調べた。
まず、産後パパ育休制度を知っているかと尋ねたところ、「言葉も意味も知っている」が47.0%、「意味は知らないが見聞きした」が28.5%となり、75.5%が制度を知っていた。
1年前に実施した調査では63.2%で、認知度がやや増加している。また、制度の意味まで理解している人が半数近くいることから、制度への理解も徐々に浸透しているようだ。
次に、これまで育休を取ったことはあるかと尋ねた。その結果、「ない」が88.9%を占めた。「ある」は9.6%にとどまっている。育休を取った理由には、「妻の負担軽減と子どもの成長を見守りたかった」「育児に参加したかった」などのコメントが寄せられた。
育休取得者に、育休を取って良かったと思うか尋ねたところ、「かなりそう思う」が92.3%、「ややそう思う」が7.7%となり、育休取得経験者の男性全員が「そう思う(取って良かったと思う)」と回答した。育休を取って良かったと思う理由には「子どもたちの貴重な瞬間を共有できた」「子育ての一番大変な時期を体験できた」などのコメントが寄せられている。
続いて、育休を取ったことがないと回答した人に「自身の状況」を尋ねたところ、「子どもがいない(育休取得の対象者ではない)」が57.1%で、「子どもがいたけど取らなかった」は42.9%だった。その理由として「男性の育休という概念がまだ浸透しておらず、制度も整備されていなかった」「上司や先輩からの圧力があった」などが挙がっている。
90.4%が「男性も積極的に育休を取得すべき」と回答
「男性も積極的に育休を取るべきだと思うか」という質問には、59.3%が「かなりそう思う」と回答。「ややそう思う」は31.1%で、90.4%が男性も積極的に育休を取るべきだと考えていることが分かった。その理由には「育児参加は義務だと思うから」「子育てに男性も女性も関係ないため」などの意見が寄せられている。
「もし(自身に)子どもが生まれたら、パートナーには何割育児を負担してほしいか」と尋ねたところ、最も多かった回答は「5割」(60.4%)だった。次いで「6割」(17.8%)、「7割」(8.9%)となり、パートナーにやや多めの負担を望む声が多い傾向が見られた。
「もし(これから自身に)子どもが生まれたら、育休を取りたいか」という質問に対しては、「かなりそう思う」が58.1%、「ややそう思う」が28.5%となり、86.6%が育休を取りたいと考えていることが分かった。その理由として、「自分の子どもなので育児に関わりたい」「育休なしでは家事、育児に必要な時間をまかなえない」などのコメントが寄せられている。
最後に「職場は男性も育休を取りやすい環境だと思うか」と尋ねたところ、「まったくそう思わない」が38.1%、「あまりそう思わない」が24.8%となり、62.9%が育休を取りやすい環境だと感じていなかった。この回答割合は1年前の調査では61.3%で、産後パパ育休制度の施行から1年たった現在でも、職場環境があまり変化していないことが明らかになった。
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