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リコーが子会社のオプティカル事業を売却、レクサス採用のステレオカメラなど組み込み開発ニュース

リコーは、子会社のリコーインダストリアルソリューションズの下で車載ステレオカメラやプロジェクター用光学レンズモジュールなどの開発、製造、販売を行っているオプティカル事業を、投資会社のティーキャピタルパートナーズに譲渡する。

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 リコーは2023年10月6日、子会社のリコーインダストリアルソリューションズの下で車載ステレオカメラやプロジェクター用光学レンズモジュールなどの開発、製造、販売を行っているオプティカル事業について、投資会社のティーキャピタルパートナーズに譲渡すると発表した。譲渡金額は非公開。2024年6月末をめどに事業譲渡完了する予定だ。

 事業譲渡は以下のプロセスで進める。まず、リコーエレメックスの子会社であるリコーエレメックスエーティーの精密部品事業を、リコーエレメックスが新設するリコーエレメックスの子会社に吸収分割させる。次に、リコーインダストリアルソリューションズのオプティカル事業をリコーエレメックスエーティーが吸収分割させた後に、リコーエレメックスエーティーの全株式をティーキャピタルパートナーズが管理/運営する新設会社に譲渡する。

 譲渡対象のオプティカル事業は、リコーインダストリアルソリューションズの主力事業の一つ。複合機やカメラ事業で培ってきた光学ユニットの開発/製造技術および精密成形技術をベースに、ADAS(先進運転支援システム)分野向けの車載ステレオカメラモジュールや、車載HUD(ヘッドアップディスプレイ用キーパーツなどを製造/販売する「車載ビジネス」、プロジェクターメーカー向けの投射レンズモジュールを中心にレーザーTV用レンズモジュールなどを製造/販売する「プロジェクションビジネス」、特殊レンズアレイや産業用レンズなどを製造/販売する「エッジセンシングビジネス」から構成されている。

 中でも車載ステレオカメラモジュールについては、デンソーとの共同開発によりトヨタ自動車の「レクサスLS」に採用されるなど高い実績を積み上げてきた。現在は、この技術をフォークリフト向けの産業用ステレオカメラモジュールなどにも展開しており、さらに他領域への転用の可能性も見込んでいる。プロジェクター用レンズモジュールは、高精度な非球面レンズやミラー部品を生かしたレーザーTV向け超短焦点レンズなどが高い評価を受けており、この技術を横展開した車載HUD内部の画像生成ユニット(PGU)も既に量産化しており成長が拡大しているという。

 今回の事業譲渡は、このオプティカル事業を高い技術力を有するモノづくり企業としてグローバルに事業を展開し成長戦略を加速する狙いがある。譲渡先であるティーキャピタルパートナーズは、多業種にわたるモノづくりの知見が豊富で、オプティカル事業の領域でもノウハウを蓄積しているという。ハンズオンでの生産性改善といったバリューアップを得意としており、これによって事業成長を実現した実績もある。

 リコーは、オプティカル事業がティーキャピタルパートナーズの傘下で事業展開を強化することにより、車載ステレオカメラの国内外での拡販や産業用ステレオカメラの大きな成長などさらなる成長を目指せると判断した。

 なお、リコーインダストリアルソリューションズの2022年度の売上高は約1163億円。オプティカル事業は、同年度に売上高約361億円だった同社産業プロダクツ部門内の一事業となる。

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