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5軸加工技術普及と人材育成へDMG森精機が検定提供、2030年に公的資格を目指す:工作機械
DMG森精機は2024年1月より、技術の普及と技術者の地位向上を目的とする「5軸加工技術検定」の提供を開始する。切削加工、割出し5軸加工の基礎の学習者を対象にWeb試験を実施し、技術水準を4段階で評価する。
DMG森精機は2023年8月31日、技術の普及と技術者の地位向上を目的とする「5軸加工技術検定」を、2024年1月より提供開始すると発表した。2024年末までに500人の受験を目標とし、2030年までに公的資格への格上げを目指す。
高度専門技術者の認定制度となる同検定は、切削加工、割出し5軸加工の基礎の学習者を対象にWeb試験を実施。技術者の技術水準を「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナ」の4段階で評価する。
ブロンズは、5軸加工を理解し、既定の加工工程の立ち上げができるオペレーターが対象。シルバーは、加工立ち上げ担当者が対象で、5軸加工の手順を理解し、安全な加工の立ち上げができる人材を認定する。
ゴールドは、工程設計と現場責任者を兼ね、加工図面の理解と加工工程の計画、機種や工具、治具の選定、ワーク加工の立ち上げができる技術者を認定する。プラチナはゴールド相当の知識、経験、スキルを備え、専門技術と知識を生かして加工技術の普及に貢献している人材が対象となる。
また、既存の教育プログラムに加え、新たにブロンズの試験範囲を効率的に学習できるeラーニングと対面型を組み合わせた「5軸加工活用講座」の提供を開始する。同検定の導入により、5軸加工機の普及、高度専門技術者の育成と地位向上、業界全体の技術力向上を目指す。
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