「PanasonicWELL」とは何か、軸になるのは異色のサービス「Yohana」:製造業がサービス業となる日(2/2 ページ)
パナソニックHDでファミリーコンシェルジュサービス「Yohanaメンバーシップ」を手掛ける執行役員の松岡陽子氏が、「Panasonic Green IMPACT」とともにグループ共通戦略の柱となる「PanasonicWELL」を推進する。松岡氏にこのPanasonicWELLについて聞いた。
Yohanaメンバーシップはタスクの「To-do」が日米累計で12万件以上に
Yohanaメンバーシップについては、サービスの起点としてコンシェルジュにやってもらいたいことになる「To-do」(タスク)が日米累計で12万件以上に増えている。利用者数は非公開としているが、To-doが増えれば増えるほどYohanaメンバーシップのサービスが拡充していくことにつながるため、サービスのKPI(重要業績評価指標)として重視している。
家族の困りごとを解決することがサービスの狙いだったこともあり、Yohanaメンバーシップの中心は子育て中の母親が中心になることが当初想定されており、国内ユーザーを見ても男女比率で女性が77.3%、年代別で30代と40代で合計約90%となっている。「ただし、男性が22%、50代以上が6.3%など、子育て中の母親にとどまらないニーズがあることも分かってきている」(松岡氏)という。
「To-do」のカテゴリーでは、国内ではフード&グルメが圧倒的に多く25%を占め、トラベル、教育、ショッピング、ファミリーケアがそれぞれ10%前後となっている。米国では、フード&グルメの比率は半分程度で、教育は上位に入ってこないという違いもある。
Yohanaメンバーシップの国内向けサービスでは、独自のトレーニングを受けたYohanaスタッフが対応する「Yohanaプライムプロサービス」を提供している(月額利用料とは別料金になる)。米国では同様のサービスは提供していないこともあり、今後取り込んでいくことを検討しているという。
今回の利用料値下げは、Yohanaメンバーシップをより身近に、より多くの人に、より便利に利用してもらうことが狙いとなっている。松岡氏は「Yohanaを軸にして、PanasonicWELLを広げていきたい」と述べている。
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