ボディースーツを用いた側湾症検知技術を開発:医療機器ニュース
ZOZOと東京大学は、3D計測用ボディースーツの「ZOZOSUIT」とスマートフォンの専用アプリを用いて、中等症以上の側湾症の検知に成功した。脊椎側湾症の新たな自己検査ツールの開発につながることが期待される。
ZOZOは2023年8月31日、東京大学と共同で、3D計測用ボディースーツの「ZOZOSUIT」とスマートフォンの専用アプリケーションを用いて、中等症以上の脊柱側湾症の検知に成功したと発表した。
ZOZOSUITを着用した被験者が、1.5m離れた位置に設置したスマートフォンのアプリの指示に従って30度ずつ向きを変え、12枚の写真を撮影すると、写真を基にアプリ内で自動的に体表の3Dモデルが生成される。同アプリは、今回の検証用に新たに開発したものだ。
3Dモデルから抽出した横断像から体幹のゆがみを示す固有値を定義し、側湾症54例と非側湾症47例で検討した。その結果、コブ角25度以上の中等症以上の側湾症例では、ゆがみを示す固有値が非側湾症例や軽症例と比較して有意に高かった。また、ゆがみを示す固有値のカットオフ値(病態識別値)を19.9mmとした場合、中等症以上の側湾症を感度95.3%、特異度58.6%で検知できた。
主に思春期に発症する思春期特発性側湾症は、自覚症状に乏しく気付きにくいため、学校検診にも組み込まれている。しかし、既存の検査法では感度に課題がある他、成長期には急速に悪化するため、学校検診だけでは適切な時期に検知できないという問題がある。
思春期特発性側湾症は、コブ角25度程度を超えると成長段階によっては装具治療などが開始される。今回開発した技術は、検査者なしに非侵襲的に自宅で繰り返し検査ができるため、脊椎側湾症の新たなセルフスクリーニングツールの開発につながることが期待される。
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