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IOWNで何ができるか、ロボットの遠隔操作などNTTコムウェアがユースケースを紹介製造ITニュース

NTTコムウェアは、光ベース技術によるネットワーク構想「IOWN」で何ができるかを検討する「IOWNテストベッド」で取り組んできたユースケースの成果を発表した。

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 NTTコムウェアは2023年8月24日、光ベース技術によるネットワーク構想「IOWN」で何ができるかを検討する「IOWNテストベッド」で取り組んできたユースケースの成果を発表した。

 IOWN構想は、現在のICT(情報通信技術)の限界を超えた新たな情報通信基盤の実現を目指したもので、ネットワークから端末まで全てをフォトニクス(光)ベースの技術で実現する「オールフォトニクスネットワーク」、実世界とデジタル世界の掛け合わせによる未来予測などを実現する「デジタルツインコンピューティング」、あらゆるものをつなぎ、その制御を実現する「コグニティブファウンデーション」の3つで構成されている。

 ただ、こうした新たなネットワーク技術で何ができるかは誰も分からないため、関わる各社がテストベッドなどを通じて、価値の実証を進めているところだ。NTTコムウェアでも2020年2月にIOWN推進準備室を用意し、2020年7月にIOWN推進室が発足。いくつかのユースケース創出を進めてきた。推進のために、東京都品川の本社ビルの一部にテストベッドを用意し、東京都五反田の拠点との間でオールフォトニクスネットワーク(APN)を敷設し、光ファイバーを含む光通信技術による通信環境を用意した。

 その取り組みの中で生まれたユースケースの1つが、ロボットとデジタルツインを組み合わせたサイバーフィジカルシステム(CPS)によるデータセンター監視だ。データセンターのサーバルームの3Dモデルを構築し、その中で動くロボット情報をリアルタイムで反映させられるデジタルツイン環境を作った。これにより、ロボットのリアルタイム操作を行いながら各種点検作業や異常把握などを行うことができる。ロボットの遠隔操作などをAPNにより遅延なく操作できることが特徴だ。デモでは、ロボットを遠隔操作し、異常を示すランプなどすぐに確認できる様子を示していた。

photophoto 遠隔地にあるデータセンター内のロボットの様子(左)、デジタルツインで再現したサーバルームとロボットのカメラの映像。右下の画面ではランプの内容を確認し異常と正常を判別している[クリックで拡大]

 同様のソリューションは既に商用サービスとされているものなどもあるが、NTTコムウェアではあくまでもIOWN構想の中で実現できることとしての価値を強みとして示していく方針だ。NTTコムウェア ネットワーククラウド事業本部 IOWN推進部 担当課長の都筑佳紀氏は「今回のデモの対象はデータセンターだが、工場などさまざまな場所でも使用できる技術だと考えている。高容量で低遅延のデータのやりとりが自由に行えれば、ロボットが動的にプログラムを変更して動作を切り替えていくようなことが実現できる。このようなIOWN構想をベースにどういうことができるかを示せる点がNTTコムウェアの特徴だ」と述べている。

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ロボットとデジタルツインを組み合わせたCPSモデルの概要。APNによる低遅延で大容量通信が行えることでクライアント側のコンピューティングパワーが小さくても高度な点検作業などが行える[クリックで拡大] 出所:NTTコムウェア

 同社ではその他、VRやARを生かしたデジタルツインでのオフィスの再現やXRを生かした卓球などを遅延なく行える様子などを紹介した。今後同社では、これらのユースケースをさらに高度化していくとともに、将来的なソリューション展開やパートナーとの共同展開などを検討していくという。

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XRで卓球をする様子。回線の芯線長30km離れた五反田拠点のサーバを経由して情報を処理しながら、APNにより遅延なくXR画像を再生することで、問題なく卓球ができる[クリックで拡大]

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