NTTが光電融合技術の開発を加速、1Tbpsでチップ間光伝送が可能な光電変換素子も:組み込み開発ニュース(1/2 ページ)
日本電信電話(NTT)は、「NTT R&Dフォーラム2020 Connect」において、同社が推進する光ベースの革新的ネットワーク構想「IOWN(アイオン)」を構成する先端デバイス技術を披露した。
日本電信電話(以下、NTT)は、技術イベント「NTT R&Dフォーラム2020 Connect」(2020年11月17〜20日)において、同社が推進する光ベースの革新的ネットワーク構想「IOWN(Innovative Optical & Wireless Network、アイオン)」を構成する先端デバイス技術を披露した。
IOWNの関連技術は、5Gの次世代となる移動体通信技術“Beyond 5G”のネットワークインフラの実現に向けて2030年をめどに開発が進められている。その中で重視されているのが「光電融合技術」だ。「ネットワークインフラの高速化を支えてきた光の技術は一般的に装置間をつなげるものであり、電子回路の間をつなぐのには用いられてこなかった。しかし、技術開発が進むことで、CPUやGPU、メモリなどチップから直接大容量の光信号を入出力できるようになってきた」(NTTの説明員)。
NTTは、これまで分かたれていた光の技術と電子回路の技術を融合する光電融合技術のロードマップとして、ステップ1で単体トランシーバーからオンボードの光トランシーバーに移行した後、ステップ2でチップ間を超短距離の光配線により直接接続し、ステップ3でチップ内のコア間を光配線で接続することを想定している。これらの光配線は、従来の電気配線と比べてより高速かつ低消費電力を実現できるという。
今回の展示では、ステップ2のチップ間光伝送に適用可能な小型の光電変換素子の試作品を披露した。指先に乗るほどのサイズだが、伝送速度は1Tbpsで、24の通信チャネルを備えているという。
これらの光電融合技術を活用することで、CPUやGPU、FPGAなどの機能別アクセラレータを光配線で結ぶことで実現する柔軟性の高いコンピューティングインフラ「光ディスアグリゲーテッドコンピューティング」が可能になる。これにより、従来のサーバアーキテクチャと比べて飛躍的な性能向上やエネルギー効率の飛躍的な向上が図れるとしている。
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