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カーボンニュートラル達成時期を2030年に、豊田合成が20年前倒し:脱炭素
豊田合成はこれまで2050年としていたカーボンニュートラル達成時期を2030年に前倒しする目標を策定した。
豊田合成は2023年8月9日、これまで2050年としていたカーボンニュートラル達成時期を2030年に前倒しする目標を策定したと発表した。対象とするのは、スコープ1、2のCO2排出量だ。
前倒しした目標の達成に向けて、生産技術の革新や継続的な日常の改善による省エネ、再生可能エネルギー由来の電力への転換を強化、加速させる。
省エネに関しては、主力製品であるゴムや樹脂の部品を中心に、モノづくりを根本から見直してCO2排出削減を進めるとともに、コスト競争力やCO2フリーによる付加価値向上にもつなげる。塗装やめっきの工程で環境負荷の低い加飾を開発する他、ゴム成形工程の加硫条件の最適化、樹脂成形工程の電動化や低圧化などを進める。再生可能エネルギーの導入では、自社での太陽光パネルの設置やグリーン電力の活用、非化石証明書などを最適に組み合わせていく。
豊田合成は2030年に売上収益1兆2000億円(2022年度比2482億円増)、営業利益1000億円(同650億円増)、営業利益率8%(同4.3ポイント増)を目指している。成長事業にリソースをシフトするため、低収益事業の縮小や撤退を進める。また、事業ポートフォリオを組み替えて、燃料系部品やウェザーストリップのリソースは車内の居住空間の快適性向上や、セーフティーシステム製品の成長などに注力していく。
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