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日本電産がESG戦略を発表、磁石レスモーターやアルミ巻き線を検討中脱炭素

日本電産は2025年度の達成を目指すESG戦略を発表した。

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 日本電産は2023年2月27日、2025年度の達成を目指すESG戦略を発表した。持続可能な地球環境の実現に製品や工場で貢献するとともに、優秀で多彩な人材の確保/育成を推進する。また、公正で透明性が高く、実効性のあるガバナンス体制も構築する。

eAxleや電動パワステで脱炭素に貢献

 日本電産は、2040年度までに事業活動に伴うCO2排出を実質ゼロにする目標だ。再生可能エネルギーの導入、省エネ、低炭素燃料へのシフト、カーボンオフセットなど複数の取り組みで実現する。これに向けて、サプライチェーンを含めたCO2排出量の削減計画を2025年度までに決める予定だ。


カーボンニュートラル達成に向けたロードマップ[クリックで拡大] 出所:日本電産

 足元では、電動車の駆動システムであるeAxleや、電動パワーステアリング用モーターといった製品によって、自動車の脱炭素化に貢献していく。2022〜2025年度までの累計で、CO2排出量をeAxleで1170万トン、電動パワーステアリング用モーターで2626万トン削減する目標だ。1170万トンのCO2排出削減は、日本の森林が1年間に吸収するCO2の20%に相当するという。年に2回、これらの製品のCO2排出量を確認する。

 今後は、脱炭素化への貢献量を算定するライフサイクルアセスメントの手法を開発、車載用製品から拡充し、車載以外にも展開する。

 事業活動でのCO2排出量に関しては、2025年度までに連結ベースの再エネ導入比率40%に引き上げる。地域別に再エネ導入手法を整理し、導入計画を策定するとともに、CO2排出量の全体像の見える化も推進する。


eAxleによるCO2削減効果[クリックで拡大] 出所:日本電産

eAxleは小型軽量化や省資源化

 日本電産のESGの取り組みをけん引するのは車載事業だ。同社 常務執行役員の早舩一弥氏は「国際関係、人権、気候変動などの課題は自動車産業に密接にかかわる。また、自動車メーカーからも脱炭素化に対する要求が出始めている」と重要性を述べた。これに対し、製品の小型軽量化や材料のリサイクル、リスクの高い素材の不使用、サステナブルな調達などによって対策していく。


ESG関連の取り組み[クリックで拡大] 出所:日本電産

 製品の小型軽量化に関しては、量産を開始するeAxleの第2世代品は第1世代品と比べて重量を19%削減した。モーターで使用する材料のうち、第2世代品は第1世代品と比較してアルミニウムを25%、電磁鋼板は21%、銅は7%削減する。

 eAxleで今後投入する第3世代品や第4世代品を並行開発する中で、モーターの省資源化も推進している。2023年中に重希土類を完全不使用にする計画だ。第2世代品でも、重希土類の使用を極少に抑えているという。第3、4世代品では、価格次第では調達リスクのある磁石そのものを使用しないことや、巻き線のアルミ化なども検討している。こうした変更によって磁石モーターと比べて性能低下や大型化が起きるため、その対策や生産技術の確立も課題となる。

 アルミダイカスト部品を生産する際の再エネ利用なども検討する他、2030年ごろに向けた要素技術の開発と、車載用以外への水平展開に取り組む。

サステナビリティ委員会がモニタリング

 こうした取り組みは、取締役会の内部に設置したサステナビリティ委員会が監督する。サステナビリティ委員会では、実際の事業活動でESG戦略を推進するESGマテリアリティステアリングコミッティーをモニタリングする他、ステークホルダーの意見を経営に反映させる。

 ガバナンスに関しては、社内取締役と社外取締役で構成される報酬委員会も設けた。役員報酬に対して社外取締役が適切に関与、助言することで公正性や透明性、客観性を担保する。さらに、社長/副社長選任に向けた指名委員会も設置している。取締役や執行役員の選任方針や基準、候補者案の決定について、取締役会が社外取締役から関与や助言を得る。将来的に社長に就く副社長候補5人も指名委員会での議論を経て決めたという。


原材料の使用量削減を推進[クリックで拡大] 出所:日本電産

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