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菌株レベルまで解析できる腸内細菌検査サービスが本格展開:医療機器ニュース
キリンホールディングスは、腸内細菌を最小単位の菌株レベルまで解析できる、腸内細菌検査サービス「MicroBio Me」の本格展開を開始した。ショットガンメタゲノム解析を採用しており、菌の種や株レベルまで分析できる。
キリンホールディングス(キリン)は2023年7月18日、腸内細菌を最小単位の菌株レベルまで解析できる、腸内細菌検査サービス「MicroBio Me(マイクロバイオミー)」の本格展開を開始した。検査結果レポートは、医療機関を通じて通知される。同日時点での取り扱い医療機関は約60施設で、今後拡大していく計画だ。
MicroBio Meは、腸内細菌の解析法としてショットガンメタゲノム解析を採用しており、菌の種や株レベルまで分析できる。腸内細菌が持つビタミンや短鎖脂肪酸の産生機能まで明らかになるため、検査結果に基づいて、適切な指導を医師から受けることが可能だ。
同サービスの取り扱い医療機関に検査キットを申し込み、自宅で採便後、キリンに提出する。検体はキリンが出資する米国のThorne HealthTechに輸送され、解析をする。解析結果は、約6〜9週間で取り扱い医療機関に送付され、医師の判断に基づいた腸内環境改善のための指導を受けられる。
日本で展開されている主な腸内細菌検査は、細菌を属レベルで解析する「16s解析」が主流だ。MicroBio Meは、さらに細かい種や株レベルまで把握できるため、各個人の腸内細菌を詳細に解析して適切に腸内環境を改善できる。
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