自動車部品製造メーカーが「MotionBoard」導入、生産性向上でスマート工場推進へ:製造IT導入事例
ウイングアーク1stのBIダッシュボード「MotionBoard」を三井屋工業が導入した。導入により不良品率が大幅に改善し、生産性が200%向上したほか、カメラ連携機能により映像データを工場のスマート化に活用している。
ウイングアーク1stは2023年6月26日、同社のBIダッシュボード「MotionBoard」を三井屋工業が導入したと発表した。
自動車の内装外装部品を製造する三井屋工業では、工場の稼働状況や生産データを紙ベースの作業日報で管理していた。そのため工程管理が非効率で、不良率を正しく把握できていない、不良率が悪化して生産性が下がるといった問題が発生していた。
こうした課題の解決に向けて、三井屋工業は2021年4月に建設した山形県米沢市の新工場でデジタル化を展開している。その成果を生かして、本社工場のスマートファクトリー化を進めるに当たり、MotionBoardの導入を決定した。
MotionBoardを採用したのは、ダッシュボードのチャート表現が豊富であることと、国内のサポート体制が整っていること、カメラ連携機能がポイントとなった。
三井屋工業は、生産実績管理システムとして、セレンディップ・ホールディングスの製造現場DX(デジタルトランスフォーメーション)支援ツール「HiConnex(ハイコネックス)」を利用している。MotionBoardの導入で、HiConnexに集約された生産情報や不良情報をダッシュボードで確認できるようになった。
不良発生時の情報を集約、分析した結果、不良品率が4.0%から0.4%にまで改善。生産性も200%向上したという。2023年3月からは、MotionBoardのカメラ連携機能の活用を開始。映像データを使って障害の原因を特定するなど、工場のスマート化に向けた成果が得られている。
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