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脱炭素阻む「意識の低さ」と「予算の少なさ」、製造業の実態調査レポート脱炭素(1/2 ページ)

ウイングアーク1stは2022年7月19日、製造業を対象とした「カーボンニュートラルの実態調査」を発表した。調査からはカーボンニュートラルの重要性が業界全体で広く認識されている一方で、社内での取り組みを推進する上で「予算の少なさ」や「意識の低さ」といった課題を抱える企業が存在する様子が読み取れる。

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 ウイングアーク1stは2022年7月19日、製造業を対象とした「カーボンニュートラルの実態調査」を発表した。調査からはカーボンニュートラルの重要性が業界全体で広く認識されている一方で、社内での取り組みを推進する上で「予算の少なさ」や「意識の低さ」といった課題を抱える企業が存在する様子が読み取れる。

7割がカーボンニュートラルの重要性を認識

 今回の調査は、製造業の中でも売り上げが30億円以上の企業において、企画担当者や製造現場のライン責任者を務める人を対象にオンラインで実施した。調査期間は2022年6月6〜8日で、有効回答数は303人。

 カーボンニュートラルの重要性についての認識を尋ねると、「非常に理解している」が27.5%、「やや理解している」が43.2%で、全体の約7割の回答者が重要性を理解しているという結果になった。「あまり理解していない」は19.8%、「全く理解していない」は6.9%であった。


カーボンニュートラルの重要性に対する認識について[クリックして拡大] 出所:ウイングアーク1st

「現在の状況を数値で可視化できていない」

 具体的な取り組み状況については「現在取り組んでいる」が43.9%、「今後取り組む予定がある」が28.1%となった。この内、「現在取り組んでいる」とした回答者に、目標が明確に設定されているかを尋ねたところ、「明確である」は82.7%だった。

具体的な取り組み状況(左)と目標が明確であるか(右)を尋ねた結果[クリックして拡大] 出所:ウイングアーク1st

 「現在取り組んでいる」とした回答者には、具体的な取り組み内容も聞いた。「LED照明の導入」が66.9%、「省エネ設備の導入」が65.4%、「CO2排出量の可視化」が57.1%となった。これらに続き、「カーボンオフセット」が35.3%、「自家消費型太陽光発電の導入」が30.8%、「電力会社を新電力へ切り替え」が18.8%という結果であった。


具体的な取り組み内容の回答結果[クリックして拡大] 出所:ウイングアーク1st

 一方で、「今後取り組む予定がある」とした回答者に、具体的な取り組みができていない理由を複数尋ねたところ、「カーボンニュートラルへの意識が低い」と「カーボンニュートラルに対する予算が少ない」がいずれも37.6%で最多となった。この他、「具体的な数値目標がない」が31.8%、「取り組みが一部のみに限定されている」が29.4%、「自社に合う取り組みが分からない」が20.0%となった。


取り組みができていない理由[クリックして拡大] 出所:ウイングアーク1st

 また同じ質問に対して自由回答では、「現在の状況を数値で可視化できていない」「具体的な削減案がまとまってない」「取り組むだけの人員がいない」「社員の末端まで認知されていない」「専門知識が乏しい」「設備投資による経費増大(が懸念される)」という意見が寄せられた。

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