SaaS対応の3D CAD「Creo+」はオンプレ版「Creo」と何が違ってどこが良い?:CADニュース(2/2 ページ)
PTCジャパンは、2023年5月に発表したSaaS対応の3D CADソリューション「Creo+」に関するメディア向け技術説明会を開催した。
2024年にはWebブラウザで「Creo+」が動かせるようになる予定
Creo+の今後のロードマップについて、財前氏は「オンプレミス版Creoでは年に1回のメジャーアップデートで機能強化を図ってきたが、Creo+ではクラウドのメリットを生かして常に最新バージョンを提供するとともに、四半期ごとに新しい機能をどんどん追加していく」と説明する。
そして、今後の目玉機能として、財前氏は2024年に提供を予定している「Creo+ Streaming」を挙げる。現在提供しているCreo+はSaaS対応版ではあるものの、従来のオンプレミス版Creoと同様に、設計者が使用するワークステーションに直接インストールする必要があるため、パフォーマンスなど使用するハードウェア環境に依存してしまう部分がある。これに対し、Creo+ Streamingであれば、サポートされているWebブラウザを介して、Creo+をストリーミングできるようになるため、使用するハードウェア環境に依存することなく、クラウド上の高性能コンピュータのリソースを存分に活用できるようになるという。
Creo+の提供はネームドユーザーパッケージオプションとなり、最小構成の「DESIGN ESSENTIALS」、標準構成の「DESIGN ADVANCED」、上位構成の「DESIGN ADVANCED PROFESSIONAL」の3タイプを展開する。さらに、オンプレミス版Creoでも提供しているリアルタイムシミュレーション機能「Ansys Powered Extentions」や、ジェネレーティブデザイン機能「Creo Generative Design Extensions」といったアドオンSaaSライセンスの他、使用頻度の低いユーザー向け専用ライセンスなど特別オプションも用意する。
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