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窒化アルミセラミックスの焼成炉が完成、生産能力を1.6倍に拡大:工場ニュース
古河電子が2022年7月から実施してきた窒化アルミセラミックスの増産投資により、いわき工場で焼成炉2基が2023年春に完成し、生産を開始した。炉の増設により、生産能力は1.6倍に向上する見込みだ。
古河機械金属は2023年6月28日、同社グループで電子部門を担う古河電子が2022年7月から実施してきた窒化アルミセラミックスの増産投資により、いわき工場(福島県いわき市)で焼成炉2基が2023年春に完成し、生産を開始したと発表した。投資額は総額約10億円で、炉の増設により、生産能力は1.6倍に向上する見込みだ。
今回の増産投資では、半導体製造装置向けのΦ16インチ(Φ400mm)サイズ対応の窒化アルミセラミックス部品の生産能力を強化。同工場では現在、増産設備で生産した製品の顧客認証と評価を進めている。本格的な生産開始は2024年頃の見通しで、認証後のフル稼働を目指している。
窒化アルミセラミックスは、熱伝導が高く、絶縁性を備えるファインセラミックスだ。半導体製造装置の部品やレーザー素子などの放熱絶縁部材として使用され、今後も需要拡大が見込まれている。
これまで古河電子では、栃木県日光市の半導体素材分工場で窒化アルミセラミックスを生産してきた。いわき工場の焼成炉完工により、今後は2拠点で製造に対応し、需要を見極めながら追加の増産投資も検討するとしている。
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