アルミ電解と導電性高分子のいいとこ取り、ハイブリッドコンデンサが登場:車載電子部品
エルナーは、アルミ電解コンデンサと導電性高分子コンデンサの長所を併せ持つ導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサとして、表面実装タイプの製品を開発した。主に自動車のECU(電子制御ユニット)向けに展開する。
エルナーは2014年7月3日、アルミ電解コンデンサと導電性高分子コンデンサの長所を併せ持つ導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサとして、表面実装タイプの製品を開発したと発表した。主に自動車のECU(電子制御ユニット)向けに展開する。同年7月にサンプル出荷を始め、12月から量産する予定。
導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサは、固体である導電性高分子とアルミ電解コンデンサに用いられる液体の電解液、両方の電解質としての特性を有するハイブリッド電解質を採用している。このため、導電性高分子コンデンサと同等レベルの低いESR(等価直列抵抗)と高いリプル電流を得られる。その一方で、アルミ電解コンデンサの特徴である低い漏れ電流も実現した。この他、ハイブリッド電解質の電解液の低蒸散化技術と導電性高分子の熱劣化低減技術によって、125℃で4000時間、105℃で5000時間の動作を保証している。
低ESR/高リプル電流と高温下での耐久性により、エンジンECUやモーターECUの電源をはじめ、高耐圧と高信頼性が求められる機器のDC-DCコンバータやスイッチング電源を小型化/軽量化する用途に適している。また、漏れ電流が少ないので、消費電力の低減も見込めるという。
今回開発した表面実装タイプの製品は、直径×高さが6.3×7.7mm、8.0×8.8mm、8.0×10.0mm、10.0×8.7mm、10.0×10.0mmの5品種をそろえる。定格電圧範囲は25〜63V(105℃は80Vまで)、静電容量範囲は22μ〜330μF、ESRは20m〜80mΩ(周波数100kHz/20℃)。定格リプル電流は、周波数100kHz/125℃の時で500m〜2000mA、100kHz/105℃の時で1500m〜2500mA。漏れ電流は0.01CVまたは3μA以下(定格電圧印加2分値)となっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 40Gの耐振動性を持つ車載アルミ電解コンデンサ、リップル電流耐量が1.5倍に
TDKは、EPCOSブランドで展開しているアキシャルリードタイプの車載アルミ電解コンデンサの新製品「B41689シリーズ」を発表した。従来品と比べて、リップル電流耐量を約1.5倍に高めたことを特徴とする。 - 40G/150℃に耐える車載アルミ電解コンデンサ、TDKが国内初公開
TDKは、「人とくるまのテクノロジー展2013」において、EPCOSブランドで展開しているアキシャルリードタイプの車載アルミ電解コンデンサを展示した。最大40Gの耐振動性と、150℃までの高温動作が可能な点を特徴とする。 - コンデンサってどんなことをするの?
マザーボード上に配置されている円筒状の物体「コンデンサ」は電気を蓄えたり、蓄えた電気を放電したりする機能を持っている