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ゲーム業界で培ったエッジ向け低遅延通信を産業用途で展開、ルクセンブルク企業が国内参入製造ITニュース

エッジデバイス向けソリューションを展開するGcoreは2023年6月20日、日本拠点を開設して本格的に国内市場へ参入すると発表した。オンラインゲーム向けに提供してきた低遅延の通信サービスを強みとする。

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 エッジデバイス向けソリューションを展開するGcoreは2023年6月20日、日本拠点を開設して本格的に国内市場へ参入すると発表した。オンラインゲーム向けに提供してきた低遅延の通信サービスを強みとする。

エッジデバイス向けソリューションをワンストップで提供

 Gcoreはエッジデバイスへのサービス提供に必要な機能を集約したクラウドプラットフォームをグローバル展開するルクセンブルクの企業だ。現在、日本を含めて世界140カ所にネットワーク拠点を設置している。ネットワークキャパシティーは約110Tbps、通信の平均レイテンシは20〜30msで、場所によっては3〜5msを下回るという。エンドユーザーの物理的近くに拠点を置くことで、通信の低遅延化を図っている。


Gcoreのトーマシュ・ジェンバ氏

 2014年の設立当時はゲーム業界向けのソリューションを提供していた。GcoreでDirector of Global Channel Partnerships and Alliancesを務めるトーマシュ・ジェンバ(Tomasz Zieba)氏は「ゲーム業界のエンドユーザーは、ネットワークサービスに対して非常に高い期待値を持っている。オンラインゲームには低遅延の通信が必須で、何百万もの同時接続に耐え得るキャパシティーも必要になる」と語る。

 この中で培った低遅延ネットワーク技術などを軸に産業向けソリューションにも乗り出した。現在はエッジデバイス向けのグローバルCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)やストリーミング基盤、Webアプリケーションセキュリティに加えて、AI(人工知能)開発機能などをワンストップで提供する。

 Gcoreでは2023年の秋をめどに、顧客のエッジAIインフラ構築支援も強化するとしている。AI開発に必要なデータの準備、モデル構築、学習までを単一のプラットフォーム上で行い、エッジデバイスの近くで学習済みのAIモデルを提供できる仕組みを整える。

 プライベートな5Gエッジコンピューティング環境を実現するeSIMも提供する。スマートファクトリーやコネクテッドカーなどへの適用を想定する。

 国内参入に当たり、Gcoreはヘルスケアや金融などクリティカルミッションが求められる領域をはじめ、製造業などさまざまな分野でのサービス提供を狙う。

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