MRグラス活用で協働ロボットの動作検証や教示をサポート、ユニバーサルロボットで初:協働ロボット(2/2 ページ)
ユニバーサルロボットはネクストスケープが開発するMR技術を活用したロボット導入支援、ティーチングソリューションである「RoboLens」を、ユニバーサルロボット製協働ロボットの周辺機器プラットフォーム「UR+」として認証した。
RoboLens Teachingは現場でのティーチングをアシスト
RoboLens Teachingは、実際にロボットを据え置いた現場で使用する。HoloLens 2のレンズ上に、ロボットの実機と現場の状況を重ね合わせる形で仮想ロボットが表示され、RoboLens Layaoutと同様にジェスチャ操作でTCPや経由点などを指定すると、その通りに実際のロボットを動かすことができる。対応機種はユニバーサルロボット製協働ロボットeシリーズの「UR3e」「UR5e」「UR10e」「UR16e」で、20kg可搬の「UR20」への対応も予定している。
ネクストスケープ システムインテグレーション事業本部 デバイスソリューション部 情報セキュリティスペシャリストの高木亨氏は「ユニバーサルロボットのティーチングペンダントは非常に分かりやすく作られているが、3次元で動くロボットを2次元の画面で操作するのは、操作性に限界があると考えている。RoboLens Teachingなら、ロボットの動作を一目で把握できるので、初心者でもより直感的に、安全にティーチングを行うことが可能になる」と語る。
RoboLens Teachingは2023年5月からサブスクリプション型の提供を開始している。利用料金は月19万8000円、年間契約で198万円(いずれも税抜き)となっている。RoboLens Layoutは同年7月18日からβ版の提供を予定しており、利用料金は月9万8000円、年間契約で98万円(いずれも税抜き)となる見込み。また、HoloLens 2はユーザー自身で準備する必要がある。ネクストスケープとしては別のMR機器への展開も計画している。
ユニバーサルロボットでは、同社製協働ロボットと組み合わせてプラグ&プレイで使用できるUR+を2016年から展開し、既に約300社、約460製品以上が認証されているが、MRを活用した製品は「世界初だ」(同社)という。「全く新しい製品として海外からも期待されている」(西部氏)と説明する。
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