MRグラス活用で協働ロボットの動作検証や教示をサポート、ユニバーサルロボットで初:協働ロボット(1/2 ページ)
ユニバーサルロボットはネクストスケープが開発するMR技術を活用したロボット導入支援、ティーチングソリューションである「RoboLens」を、ユニバーサルロボット製協働ロボットの周辺機器プラットフォーム「UR+」として認証した。
ユニバーサルロボット(Universal Robots)は2023年6月20日、ネクストスケープが開発するMR(Mixed Reality、複合現実)技術を活用したロボット導入支援、ティーチングソリューションである「RoboLens」を、ユニバーサルロボット製協働ロボットの周辺機器プラットフォーム「Universal Robot+(以下、UR+)」として認証したことを発表。ユニバーサルロボット日本支社で同日、記者会見を開き、サービスの概要を説明し、デモンストレーションも披露した。
HoloLens 2を使ってより直感的にロボット導入をサポート
ネクストスケープはMicrosoftのクラウドサービス「Azure」を使ったシステムインテグレーションなどを主な事業としている。その中で、RoboLensはMicrosoftのMRゴーグル「HoloLens 2」を活用して直感的にロボットの現場導入やティーチングをサポートするソリューションだ。ロボットの導入前に作業現場における動作検証などが可能な「RoboLens Layaout」と、導入後にティーチングなどをサポートする「RoboLens Teaching」の2種類をネクストスケープでは展開している。
通常、ロボットの導入を検討する際には現場にロボットを持ち込んで動作検証するか、3Dシミュレーターを用いて動きを確認する必要があった。稼働中のラインで動作検証を行うのは難しく、生産ラインが止まる休日に行うこともあった他、3Dシミュレーターを用いるにはコストがかかっていた。RoboLens Layaoutでは、装着したレンズに浮かび上がるリアルな仮想ロボットを使って、ロボットをさまざまな場所に配置してみたり、動作のシミュレーションをしたりすることができる。
具体的には、基準点となるQRコードをHoloLens 2で読み込むと、ユニバーサルロボットのeシリーズの4機種「UR3e」「UR5e」「UR10e」「UR16e」が表示され、選択するとその機種がレンズ上に浮かび上がる。「UR20」は今後対応予定だ。
ロボットが浮かび上がった位置から、手のジェスチャ操作を使ってTCP(ツール・センター・ポイント)を設定して実際にワークまで届くかどうかを検証したり、ロボットの場所を簡単に変更したりできる他、仮想ロボットにティーチングを行い、動作軌跡を定義して動かすことも可能だ。ロボットを載せる架台やロボットに接続するツールのサイズを検証する機能の提供も予定している。
ユニバーサルロボット日本支社 アプリケーションエンジニアリングマネジャーの西部慎一氏は「ロボットの引き合いをいただくと、実際にロボットを置けるのかどうかを現場の寸法を測ったり、写真を撮ったりして3Dシミュレーターの中で干渉が起きないかなどをチェックしており、そこに工数が多くかかっている。それらをHoloLens 2を使って現場でできれば、シミュレーターより正確に検証でき、ユーザーにもイメージが一目で伝わる。工数が少なくなれば導入コストや期間も削減でき、ロボットがより導入しやすくなる」と期待する。
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