最長4000mの通信に対応、資材管理向けの新型アクティブタグを発表:組み込み開発ニュース
凸版印刷は、次世代ZETA規格「Advanced M-FSK変調方式」に対応する、資材管理向けアクティブタグ「ZETag」の新型3種を発表した。最長通信距離が従来品の2倍となり、感度や転送速度も向上している。
凸版印刷は2023年6月20日、次世代ZETA規格「Advanced M-FSK変調方式」に対応する、資材管理向けアクティブタグ「ZETag(ゼタグ)」の新型3種を発表した。同月より、製造業や物流業界に向けて試験提供を開始する。
ZETagは、固有のID情報を自ら発信するアクティブ型のタグで、ボタン電池で駆動する。パッシブ型RFIDタグで必要な読み取り作業が不要で、広い倉庫や屋外でもパレットやカゴ車などの位置を自動で管理できる。
新型のZETagでは、ソシオネクスト製LSIの「SC1330A」を搭載し、LPWA(Low Power Wide Area)ネットワーク規格の1つであるZETA規格「Advanced M-FSK変調方式」に対応した。データの誤り訂正を可能とする符号化技術でノイズ耐性を向上し、多値化変調処理で通信できるデータ量が増加したことで、高速移動する輸送車両など電波形状が変化しやすい状況にも適用可能になった。
従来品に比べ、新型は感度が10倍以上、転送速度が20倍以上向上した。通信距離は500〜4000mで、最長通信距離が従来の2倍となっている。
ラインアップは、ユニークIDのみを送信する「標準版」、パッシブタイプのRFID(NFC、UHF)と温度センサーを連携した「RFID搭載版」、GPSと温度センサーを連携した「GPS搭載版」の3種を用意している。また、クラウド型管理システム「ZETagDRIVE」を利用すると、ZETagからの通信情報を一元管理できる。
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