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オークマが木型レスの鋳物製造技術を開発、3Dデータとロボ活用で完全自動製造:FAニュース
オークマと木村鋳造所は、木型を用いない鋳造製造技術を開発した。3Dデータの連携やロボットを活用することで、中小型鋳物の完全自動製造が可能になる。
オークマは2023年6月1日、木型を用いない鋳造製造技術を開発し、木村鋳造所の群馬製作所で実証製造を開始すると発表した。
新しい鋳造製造技術では、木型を使わずロボットを用いて砂型に直接加工し、砂型成形工程を完全自動化することで、工程を集約する。また、砂型成形から鋳造、部品加工まで3Dデータを連携して一気通貫で生産できるため、中小型鋳物の完全自動製造が可能になり、製造のDX(デジタルトランスフォーメーション)を促進する。
砂型成形だけでなく、砂型への中子挿入工程や上下型の型合わせ工程も完全自動化している。前後工程を無人搬送車で接続すれば、従来の4分の1の人員で夜間、休日の連続稼働に対応できるほか、リードタイムが2週間から最短3日に短縮する。また、製造コストの低減により、収益の大幅な増加が期待できる。
両社は今後、実証製造を通じて同技術の改良を重ね、オークマ協力工場や国内鋳物業界に展開する。これにより、鋳物製造で求められる超多品種少量生産や柔軟な生産に対応し、労働力不足、環境負荷対応などの課題解決に貢献する。
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