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加工性能向上に加えデジタルツイン構築に環境対応、オークマの新世代CNCFAニュース

オークマは、新世代のCNC「OSP-P500」を開発した。加工の高速化、高精度化、AI化、デジタルツインの構築が可能だ。操作性や加工性能を高めたほか、脱炭素化対応、セキュリティ機能も充実している。

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 オークマは2022年10月5日、新世代のCNC「OSP-P500」を開発したと発表した。加工の高速化、高精度化、AI(人工知能)化、デジタルツインの構築が可能だ。

デジタル空間に仮想機械を忠実に再現

 OSP-P500内のデジタル空間は、リアルと同等のNC制御やサーボ制御、機械制御を備えており、最新の実機データと3Dモデルで仮想機械を忠実に再現する。これにより、実加工時間の1000分の1の時間かつ誤差1%以下と、高速、高精度に加工時間の見積もりができる。正確に加工時間を見積もりできるため、加工スケジュールが立てやすく、納期やコストについても、迅速かつ正確な見積もりが可能になる。

 現場で課題が発生した場合は、現場のオンマシンのシミュレーションで確認し、迅速に解決できる。また、これまでは初品加工の確認や改善は機械で実施していたが、オフィスにも仮想機械を構築できることから、PC上の超高速シミュレーションを通じて、オフィスで短時間に加工、確認、改善のサイクルを実施できる。

 スマートオペレーションにより、操作性も向上した。熟練技能者の作業実績を保存して誰でも再現可能なため、NCプログラム言語を知らない初心者でも迅速に加工準備ができる。さらに、機械の加工動作作成から段取り作業、加工後の検査まで、一連の部品加工作業を1つの画面で操作できる。

 ガイダンスに従って作業手順を進めていけば、デジタルツインの3Dモデル配置といった環境設定が同時に完了する。作業手順が統一されていることで、品質安定にもつながる。操作パネルは視認性、操作性を追求し、デザインを一新した。

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「OSP-P500」操作パネル[クリックで拡大] 出所:オークマ

サイクルタイムを5〜15%削減

 また、高性能CNCハードウェアとソフトウェア制御を最適化し、一般部品加工中の非切削時間を削減。従来モデルに比べ、同一加工プログラムでサイクルタイムが5〜15%短縮している。

 加工形状に適した軸制御や、加工物などの加減速で発生した機械のたわみを補償することで、金型や自由曲面形状の加工性能を高めている。その他に、往復加工での加工目幅の不揃いを抑制して、加工面品位の向上や加工時間の短縮を図った。目幅比率が8.5:1.5から6:4となり、加工時間は約12%短縮している。AIを活用した検知では、加工中の工具折損の事前検知、主軸や送り軸の異常検知に対応する。

 脱炭素化に向け、同社の新世代省エネルギーシステム「ECO suite plus」を標準搭載する。CO2排出量の可視化をはじめ、周辺機器の間欠運転を強化し、加工準備中の操作状況に応じて周辺機器をアイドルストップするなど、高速、高精度の加工性能と環境対応を両立させた。改善サイクルを実行した結果、同社工場設置の門形マシニングセンタでCO2を30%削減。仮想機械によるCO2排出量の見積もりや、加工条件変更時の排出量変化も把握できる。

 機械の基本性能や加工プログラムなどをサイバー攻撃から守るため、サイバーレジリエンスを高める脆弱(ぜいじゃく)性対策と、防衛、防御、復旧に関わる強固なセキュリティ機能も搭載する。

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