省エネ、創エネ、蓄エネ設備を備えたコンビニ店舗で実証実験がスタート:スマートリテール
セブン-イレブン・ジャパンは、環境負荷低減店舗の実証実験を本格的に開始した。日立製作所、リコー、サンデン・リテールシステムと連携し、省エネ、創エネ、蓄電の取り組みをさらに進める。
セブン-イレブン・ジャパンは2023年6月8日、環境負荷低減店舗の実証実験を「セブン-イレブン三郷彦成2丁目店」で本格的に開始したと発表した。日立製作所、リコー、サンデン・リテールシステムと連携し、各社の持つ先端技術によって省エネ、創エネ、蓄電の取り組みをさらに進める。
省エネの取り組みの1つとして、サンデン・リテールシステムの冷凍冷蔵設備を設置する。これにより、エアカーテンを強化してオープン多段チルドケースからの外気漏れを抑え、これまで定時に実施していた冷凍ケースの除霜のタイミングを最適化するなど機構の改善を図る。また、外気を取り込んで冷蔵設備や空調の負荷を低減させる給気システムも導入する。
各設備の電力使用量や店舗内外の温湿度の計測、分析には、日立製作所のEMS(エネルギーマネジメントシステム)を用いる。同EMSでは太陽光発電や可動式蓄電池の有効的な運用についても分析、実証する。
創エネの取り組みでは、リコーの4種の次世代太陽電池を設置する。冷蔵設備の上に設置して店内の照明から高効率に発電するタイプ、窓ガラスや外壁に設置して店舗内外の光で発電するタイプなどを活用する。店舗屋根上や駐車場にも太陽光発電パネルを取り入れ、再生可能エネルギー比率を高める。
蓄エネでは、日立製作所が提供する蓄電池システム「バッテリキューブ」を導入し、同システムで発電した再生可能エネルギーを有効活用する。バッテリキューブは電動自動車などの中古バッテリーを再利用した可動式の蓄電池システムで、定置型蓄電池と比較して安全に店舗の電気設備と脱着でき、設置やメンテナンスの作業効率を向上できる。
これらの取り組みにより、同店舗は購入電力量を2013年度比で約60%削減、CO2排出量を約70%削減できる見込みだ。
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