ニュース
60GHz帯を使用した超小型で極低電力の車載向け電波式測距センサー:組み込み開発ニュース
ソシオネクストは、60GHz帯を使用した車載向け電波式測距センサー「SC1260」シリーズを開発した。複数の送受信アンテナによる時分割多重化処理で、車室内の人の位置や存在、接近、離反を高精度に検知できる。
ソシオネクストは2023年5月29日、60GHz帯を使用した、車載向け電波式測距センサー「SC1260」シリーズを開発したと発表した。複数の送受信アンテナによる時分割多重化処理(TDM-MIMO)で、車室内の人の位置や存在、接近、離反を高精度に検知できる。
同シリーズは、アンテナや無線回路、A-Dコンバーター、FIFOメモリ、SPIインタフェースを搭載。また、フレキシブルにデューティサイクルを変化させて消費電力を制御する高機能シーケンサー、高性能な測距と角度演算のレーダー信号処理回路を内蔵している。オールインワン型のため、高周波や信号処理に関する高度な専門技術を必要とせずに、3次元の位置情報や存在情報を取得できる。
TDM-MIMO処理により、車室内で1列3人掛け時の人検知などの高精度なセンシングが可能だ。人の位置や接近などを検知するため、エンジン停止時の車載バッテリーへの負荷を抑制しながら、車室内の乗員や存在を検知するアプリケーションに利用できる。
サンプルおよび評価キットの出荷は同年6月から、量産出荷は2024年1〜3月を予定している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 77GHz帯だけじゃない、ミリ波レーダーが開く車載センサーの可能性
車載のミリ波レーダーと言えば、先行車両の検知に用いられる77GHz帯の製品が広く知られている。「人とくるまのテクノロジー展 2023 横浜」では、村田製作所と京セラが、それとは異なるタイプの車載ミリ波レーダーの展示を行った。 - 6Gで採用される4つの新技術とは、サブTHz帯とNTNに加えAI活用が最大のテーマに
キーサイト・テクノロジーが、次世代移動体通信規格である「6G」の特徴や今後のロードマップについて説明。6Gでは4つの新技術が採用されることになるという。 - 移動する物体内をミリメートル精度で撮像、テラヘルツ波でスキャン装置の適用拡大
三菱電機は、300GHz帯のテラヘルツ波を用いた断層イメージング技術を開発した。移動する物体内部をミリメートル精度で撮像できるため、スキャン装置の小型化、安全性向上が可能になり、これまで導入が困難だった場所にも適用できる。 - 宇宙空間における放射線環境耐性の高いフェーズドアレイ無線機の開発に成功
アクセルスペースと東京工業大学は、宇宙空間における放射線環境耐性の高い無線機の開発に成功した。ICに内蔵した放射線センサーで劣化量を測定し、無線機の性能悪化を避けるようパラメーターを再調整する。 - フジクラが60GHz帯ミリ波無線通信モジュール高感度版を開発、長距離伝送に対応
フジクラは、km級の長距離到達性能を持つ60GHz帯ミリ波無線通信モジュール高感度版を開発した。周波数を61〜71GHzに限定して酸素吸収による減衰を抑え、アンテナを最適設計することにより、到達性能の長距離化を図っている。 - 断熱性と電波の通りを両立する、ミリ波を遮らないエアロゲル素材の窓
NTTドコモは高い断熱性と電波透過性を同時に実現したエアロゲル素材の窓を展示する。