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DMG森精機がソフト開発体制強化へ、札幌の子会社が新棟をオープンFAニュース(2/2 ページ)

DMG森精機のITソリューションの開発を担うDMG MORI Digitalでは、新たに取得した西棟の運用を2023年4月から開始した。

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3年間で50人の増員を計画、西棟開設で開発を加速

 稼働を始めたばかりの西棟の延べ床面積は約3000m2。今後3年間で新卒、中途採用を合わせて50人ほどのエンジニアの増員を計画しており、そのスペースを確保するため開設した。

西棟で行われている新入社員研修の様子
西棟で行われている新入社員研修の様子

 DMG MORI Digital 執行役員 制御開発本部 本部長の曽我崇明氏は「ハードウェアの機械よりも、周辺のソフトウェアがアイテムとして非常に増えてきており、ソフトウェアが中心になりつつあるとわれわれも感じている」と語る。MES(製造実行システム)やERPソフトとの接続、CELOS DYNAMICpostの対応機種の拡大なども求められる。さらに、「今後は見るものも広げていく。動いているかいないかだけではなく、機械の振動や温度の分析も必要になる。また、機械はユーザーの工場で動いている。その機械をすぐつなげられるようにする仕組みも準備している」(曽我氏)。

 これまで培った組み込み技術を工作機械向けに転用も図っている。その1つが、2020年に発売した「AIチップリムーバル」だ。機内に設置したカメラで加工時に発生する切りくずの堆積状況を捉え、AI(人工知能)で認識して自動でクーラントを吹き付けて洗浄する。DMG MORI Digital カスタムエンジニアリング本部 製品開発部 室長の奥野絢一郎氏は「工作機械周辺のインテリジェント化に貢献していきたい。DMG森精機精機向けの開発に取り組みつつ、新しい組み込み製品も開発して、技術を絶やさずに、売り上げにもつなげていきたい」と話す。


工作機械のソフトウェアの重要性が高まる

 DMG森精機は2022年に平均年収が20%程上がる給与改定を行っているが、DMG MORI Digitalでも給与体系をDMG森精機と統一するなど、人材確保に向けて競争力を高める取り組みを行っている。

 DMG MORI Digital 代表取締役社長の鈴木祐大氏は「この札幌で世界トップの工作機械メーカーのITソリューション開発に携わり、ここで作ったものが工作機械に必ず搭載され、世界中の現場で使われていくというのは、非常にチャレンジングで面白い仕事だと思っている。ITを使ってユーザーにトータルで付加価値を提供することを目指しており、その中でわれわれが果たさなければいけない役割は非常に大きいと感じている。DMG森精機のデジタルの部分を引っ張っていく存在になっていきたい」と意気込む。

左からDMG MORI Digitalの奥野氏、鈴木氏、曽我氏
左からDMG MORI Digitalの奥野氏、鈴木氏、曽我氏

(取材協力:DMG森精機)

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