旭化成がバイオエタノールからプロピレンやキシレンなどを生産する技術を開発:サステナブル設計(2/2 ページ)
旭化成は、「人とくるまのテクノロジー展 2023 横浜」で、バイオエタノールからバイオエチレン、バイオプロピレン、バイオベンゼン、バイオトルエン、バイオキシレンなどを製造する技術の開発を進めていることを発表した。
同種同材のギアでも摺動性を発揮
旭化成のCNFコンポジットは、CNFとPOMを複合化したコンポジット材料で、摺動ギア部品の材料に使え、2025年の有償販売を目指し開発を進めている。同材料は摺動性に優れ、この材料を用いて作られた複数のギアを組み合わせても、低摩擦係数、低摩耗性、ノイズレス性能を発現する。
ブースの担当者は、「自動車などに利用されている摺動ギアでは、低摩擦係数、低摩耗性、ノイズレス性能を実現するために、異なる材料を用いた複数のギアを組み合わせて活用するケースが多い。そのため、使用後のリサイクルで分別などの手間を要していた。一方、当社のCNFコンポジットは、同じ材料で複数のギアを製造し組み合わせても各機能を実現し、グリスも使用していないため、洗浄が不要でリサイクルもしやすい」と話す。
さらに、綿花を採取した後の種子に残る繊維原料であるコットンリンターをnmまで高度に微細化したバイオマス素材で、旭化成独自のCNF分散技術によって高い補強効果を達成している。また、部材のバイオマス化やサーキュラーエコノミーも後押しする。
MRSAや黄色ブドウ球菌に対しても抗菌効果
吸音/消臭/抗菌性を持つ車室向け複合シートは、ソニーグループが開発した米の籾殻(もみがら)由来の多孔質カーボン素材「Triporous(トリポロース)」の粉体を旭化成の不織布シートに挟み込んだもので、開発中の製品だ。フロアマットや天井材、エアフィルターなどの自動車内装材に組み込むことにより、吸音/消臭/抗菌という機能を付与できる。
同シートは、シートを複合化することにより吸音性能を高めている他、アンモニア、イソシアン酸、酢酸などに高い消臭性能を発揮する。加えて、生乾き臭の主な原因とされているモラクセラ菌へ高い性能を発揮し、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)や黄色ブドウ球菌に対する抗菌効果も備えている。
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