検索
ニュース

旭化成がバイオエタノールからプロピレンやキシレンなどを生産する技術を開発サステナブル設計(1/2 ページ)

旭化成は、「人とくるまのテクノロジー展 2023 横浜」で、バイオエタノールからバイオエチレン、バイオプロピレン、バイオベンゼン、バイオトルエン、バイオキシレンなどを製造する技術の開発を進めていることを発表した。

Share
Tweet
LINE
Hatena

 旭化成は、「サステナビリティ」と「サウンドマネジメント」をテーマに掲げ、「人とくるまのテクノロジー展 2023 横浜」(2023年5月24〜26日、パシフィコ横浜)に出展し、バイオエタノールから基礎化学品を製造する技術、機能樹脂製品のCFP(カーボンフットプリント)可視化システム、天然繊維を活用したフェルト、CNF(セルロースナノファイバー)コンポジット、吸音/消臭/抗菌性を持つ車室向け複合シートを紹介した。

バイオエタノールからバイオプロピレンやバイオベンゼンなどを生産

 バイオエタノールから基礎化学品を製造する技術は開発中で、2027年の上市を目指している。この技術が完成すると、自動車部材に使用される多くの材料をバイオマス原料由来で製造することができ、石油使用量およびCO2排出量削減に貢献する。同技術は、新規のプロセスでバイオエタノールを加工し、バイオエチレン、バイオプロピレン、バイオベンゼン、バイオトルエン、バイオキシレンなどを作る。

 ブースの担当者は「これまでの技術ではバイオエタノールからバイオエチレンしか作り出せなかったが、当社の新しい技術では、バイオプロピレン、バイオベンゼン、バイオトルエン、バイオキシレンなどを作れる。これにより、将来的には汎用樹脂やエンジニアリングプラスチックをバイオ化できると考えている。まずは、リサイクルと回収が困難な部材や接着剤をターゲットに、この技術で製造したバイオマス原料を適用し、リサイクルと回収を容易にしていきたい」と語った。

 この技術を活用することで、自動車のプラスチック、カーシート、エアバッグ、塗料、接着剤など、これまで化石原料の代替が難しいと考えらえていた製品にもバイオマス原料を使えるようにもなるという。加えて、石油由来品と比べほぼ同等の性能を実現しているため、サプライチェーンの下流工程で加工するための新規設備が不要で、材料評価の手間も減らせる。


バイオエタノールから基礎化学品を製造する技術の作業手順(左)と活用のイメージ(右)[クリックで拡大] 出所:旭化成

機能樹脂製品のCFPをレポートでエンドユーザーに提供

 機能樹脂製品のCFP可視化システムは、同社の機能樹脂製品であるナイロン/ポリアミド樹脂「レオナ」やポリアセタール(POM)樹脂「テナック-C」、変性PPE(変性ポリフェニレンエーテル)樹脂「ザイロン」、高性能化学結合ポリプロピレン複合材料「サーミレン」を対象にCFPを算出するシステムで、NTTデータと共同で開発し2022年5月から提供している。

 同システムは、最終製品別のCFPを算出し、GHG(温室効果ガス)排出量を管理できる。原材料、資本財、GHGプロトコルのScope1、2に含まれない燃料とエネルギー関連活動、廃棄物、リース資産、材料の生産を担当する従業員の出張と通勤、燃料の燃焼量、電気の使用量など、対象製品の上流工程および加工工程で生じるGHGの情報をユーザーに提供する。

 同システムの作業手順は、まず上流工程で生じたCFPをERP(基幹システム)とExcelにインプットする。次に、そのデータを、米国ソフトウェアメーカーのAnaplanのFP&A(財務計画と分析)プラットフォーム「Anaplan(アナプラン)」に転記するだけでなく、燃料の燃焼や電気の使用などで発生したCFPも入力。続いて、これらのCFPの情報を、米国ソフトウェアメーカーのTableauの分析プラットフォーム「Tableau(タブロー)」で分析し、レポートとしてユーザーに提供する。


CFP可視化システムのワークフロー[クリックで拡大] 出所:旭化成

2500〜6300Hzの吸音率が70%以上

 天然繊維を活用したフェルトは、観葉植物としても知られるカポック(シェフレラ)を繊維化したもので、成形することにより、ダッシュインシュレーターなどの吸音基材であるフェルト、ドアトリム、ダッシュボード、トランクカバーなどの基材に使え、2024年の上市に向け開発を進めている。カポックの繊維比重は0.05以下とされており、合成繊維(繊維比重は約1.0以上)より軽量で、成形すると車両部品の軽量化に貢献する。さらに、2500Hzから6300Hzまでの吸音率が70%以上と吸音性に優れる。なお、旭化成は、アジアで、カポックの調達やフェルト化、成形に対応している。


天然繊維を活用したフェルトの成形部品[クリックで拡大]

天然繊維を活用したフェルトの繊維比重(左)と吸音性(右)[クリックで拡大] 出所:旭化成
       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る