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トヨタとダイハツがポール側突の社内試験を実施、全項目問題なし:品質不正問題
トヨタ自動車とダイハツ工業は社内で実施したポール側面衝突試験(UN-R135)の結果を公表した。
トヨタ自動車とダイハツ工業は2023年5月26日、ダイハツ「ロッキー」とトヨタ「ライズ」のハイブリッド車(HEV)について、社内で実施したポール側面衝突試験(UN-R135)の結果を公表した。
2023年5月24日にダイハツの滋賀テクニカルセンター(滋賀県竜王町)で社内試験を実施した。その結果、傷害値(乗員が受ける衝撃)、ドア外れ/開放、燃料漏れの全ての項目で法定基準を満たすことが分かった。出荷と販売の再開に向けて、認証当局の立ち会い試験や必要な手続きの確認を進めていくとしている。
ポール側面衝突試験は、車両が電柱などに横から衝突した際の安全性について確認する。電柱を模したポールに、時速32kmで車両の側面を衝突させて、傷害値が一定以下であること、ドアが外れたり開放したりしないこと、衝突後の燃料漏れが一定以下であることが評価対象となる。
ダイハツは本来であれば車両の左右の両方で実施したポール側面衝突試験のデータを認証で提出する必要があるところ、左側の結果を右側のデータとして転記して提出した。社内に右側の試験データは残っていなかったという。なお、ロッキー/ライズのエンジン車は正規にポール側面衝突試験を実施し、データを提供していた。この不正を公表したのは2023年5月19日。同年4月28日には海外向け4車種の側面衝突試験(UN-R95)での不正を公表したばかりだった。
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