パナソニックの青色ダイレクトダイオードレーザなど5件が国際的デザイン賞を受賞:FAニュース
パナソニック コネクトはドイツのインターナショナルフォーラムデザイン主催の「iFデザインアワード2023」においてフルデジタル半自動溶接機など5件が受賞したと発表した。
パナソニック コネクトは2023年5月23日、ドイツのインターナショナルフォーラムデザイン主催の「iFデザインアワード2023」において、パナソニック コネクトのフルデジタル半自動溶接機など5件が受賞したことを発表した。パナソニックグループ全体では20件が受賞し、モジュール式パーソナルケアシステム「MULTISHAPEシリーズ」が金賞を受賞している。【訂正あり】
1953年に設立された国際的なiFデザインアワードは、プロダクト、コミュニケーション、パッケージ、インテリア/建築、プロフェッショナルコンセプトの5つの分野で構成され、工業デザイン発祥の欧州における権威ある賞として著名な国際的デザイン賞の1つになっている。今回は2022年11月までに寄せられた56カ国、約1万1000件の応募に対し、世界各国133人の専門家による審査が行われた。
パナソニック コネクトからは顔認証入場/決済サービス、青色ダイレクトダイオードレーザ、360度カメラスピーカーフォン「PressIT360」、フルデジタル半自動溶接機、機内エンターテインメントシステム「Astrova」が受賞した。前身のパナソニック コネクテッドソリューションズ含め、例年は2、3件の受賞だった中で、今回は5件を受賞したことについて、パナソニックコネクト デザイン&マーケティング本部ストラテジーデザイン部 デザインディレクターの酒井将史氏は、理由は分析中としながら「環境への配慮や時流に合ったサービス、製品を発表できたからではないか」と見る。
青色ダイレクトダイオードレーザは銅材料加工時の赤色レーザーに比べて消費電力を30%削減することに成功しており、CO2排出量の低減にもつながる。「環境貢献を象徴的に伝えられるように地球をメタファーとしたような、サークル状のデザインを採用した」(酒井氏)。どこに置かれてもメンテナンスしやすいように本体は3面開放ドアとし、各種接続部は背面に集中配置した。
フルデジタル半自動溶接機では、タッチパネルによる直感的な操作やカラー液晶による視認性向上を実現した。新型のワイヤ供給装置は持ち運びしやすいように軽量設計とし、大型ハンドルも採用した。中国と日本市場向けの製品となっており、今回は中国の唐山松下産業機器からエントリーした。
【訂正】初出時に「中国市場向け」としていましたが、先方の意向により変更しています。
顔認証入場/決済サービスは東京ドームにおける巨人戦で導入されており、利用者が事前に顔の画像を登録することで、顔認証で専用レーンから入場でき、ドーム内の店舗で決済もできる。ただ、イベントによっては撤収しないといけないため、「運びやすいように重心バランスや移動用のハンドルにも考慮しており、利用者だけでなく運営者側のUX(ユーザーエクスペリエンス)も意識している」(酒井氏)。
遠隔地と対面でのハイブリッドな会議向けに開発されたPressIT360では、PCとUSB1本の接続で電源と映像をつなぐことができる他、顔がPCの画面に遮られないようにカメラの位置を配置し、操作時に手が遮らないようにスイッチなどは台座に設置した。
Astrovaではデータの更新などをより簡単に行えるように設計している他、軽量化も図っているという。米国のパナソニック アビオニクスからエントリーした。
酒井氏は「デザイナー自身の貢献領域を広げる取り組みをしている。製品の色や形状だけではなく、ユーザーの体験やその裏にいる事業者のことも考えたデザインや製品、サービスを生み出す会社にしていきたい」と意気込む。
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