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有人地帯で国産ドローンを目視外飛行させ、レベル4飛行に成功:ドローン
ACSLは、日本郵便が実施する「ドローンによる配送」に国産ドローンを提供し、有人地帯を補助者なしで目視外飛行させて、国内初となるレベル4飛行に成功した。
ACSLは2023年3月27日、日本郵便が実施する「ドローンによる配送」に国産ドローンを提供し、有人地帯(第三者上空)を補助者なしで目視外飛行させて、国内初となるレベル4飛行に成功したと発表した。
同社は、レベル4飛行に対応したドローン開発を進め、同月13日に国土交通省より第一種型式認証、同月15日には第一種機体認証を日本で初めて取得している。日本郵便では、同月17日付で国土交通省航空局から飛行の承認を取得。第一種型式認証を取得したACSLのドローン「PF2-CAT3」を使用し、奥多摩郵便局から配送先の住宅まで、補助者なしの目視外飛行であるレベル4飛行を実施した。
PF2-CAT3ドローンは、プロペラまで含めたサイズが1174×1068×601mmで、機体重量は5.5kg、バッテリー重量は3.3kg。最高速度は、水平時毎秒10m(毎時36km)、上昇時毎秒3m、下降時毎秒2mとなる。最大航続時間は、最低離陸重量時は20分、最大ペイロード1.0kgの場合で17.5分となる。補助安全装置として、日本化薬製のパラシュートを搭載している。
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