安全安心な国産ドローンは蒼天を駆けるか、ACSLが「SOTEN」を発売:ドローン(1/2 ページ)
ACSLがNEDOの公募事業「安全安心なドローンの基盤技術開発」の下で開発を進めてきた小型空撮ドローン「SOTEN(蒼天)」を発表。2021年12月7日からドローン本体とオプション品の受注を開始しており、2022年に国内外での販売を進めて1000台規模の販売台数を目標に置いている。
ACSLは2021年12月7日、オンラインで会見を開き、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の公募事業「安全安心なドローンの基盤技術開発」の下で開発を進めてきた小型空撮ドローン「SOTEN(蒼天)」を発表した。同日からドローン本体とオプション品の受注を開始しており、2022年に国内外での販売を進めて1000台規模の販売台数を目標に置いている。
SOTENは、政府が推進するドローン活用の革新「空の産業革命」に寄与すべく誕生し、空(天)という無限大の可能性を持つ空間を自在に飛行する姿をイメージした「蒼天」から名付けられた。
SOTENの特徴は4つある。1つ目の「セキュアな国産ドローンで“技術を守る”」では、セキュリティ製品の国際標準であるISO 15408に基づく対策を施し、データの漏えいや抜き取りの防止、機体の乗っ取りへの耐性を実現している。また、ドローンで取得した撮影データや飛行経路データなどを暗号化して通信する機能を備えており、通信によって収集するこれらのデータも国内クラウドで集積することで保護できるようにしている。さらに、機体の主要部品には国産品もしくは信頼性の高い海外からの調達品を採用することで、社会インフラを支える役割が期待されるドローンを安心して供給できる生産体制を整備した。
ACSL 代表取締役社長兼COOの鷲谷聡之氏は「SOTENが重視したのは“セキュア”であることだ。これはIoT(モノのインターネット)機器であるドローンとして当然守るべきセキュリティだけを意味しておらず、主要部品を国産品にすることによるサプライチェーンの“自立”に加えて、ドローンによってインフラデータを活用するためのノウハウやサービス提供に必要なさまざまな“技術を守る”ことも意味している。ドローンを持続可能なものとするという意味合いも込められている」と語る。
2つ目の特徴は「ワンタッチで切り替えできるカメラ」だ。Xactiが開発したジンバルカメラは3種類あり、大口径レンズと1インチセンサーを搭載する4K動画対応/静止画時2000万画素の標準カメラの他、赤外線と可視の2眼カメラは、赤外線エネルギーをデジタル処理して温度状態を可視化できるとともに、可視カメラと赤外線カメラの映像を組み合わせた重畳/P in P表示にも対応する。マルチスペクトルカメラは、ドローンを農業用途で用いる場合に利用されるNDVI(正規化植生指標)の計測や表示が可能だ。これらに加えて、2.5倍の光学ズームを搭載する光学ズームカメラも開発中である。
これら撮影用カメラ以外に、ドローンの制御用として、機体前部にステレオカメラを、機体下部にToFセンサーを搭載している。
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