上海モーターショー開幕、日系各社が2024年発売のEVを世界初公開:電動化(2/2 ページ)
第20回上海国際自動車工業展覧会が開幕した。日系自動車メーカー各社がEVのプロトタイプや市販予定車などを披露している。
新型LMは乗員と周辺温度を検知する後席専用の「温熱感IRマトリクスセンサー」を採用。乗員の顔、胸、大腿、下腿の4カ所に分けて温熱感を推定してエアコンやシートヒーターを一括でコントロールする。アームレストやオットマンにもヒーターを採用した。アームレスト内に収納できる格納式テーブルは、タブレット端末やノートPCを操作するのに十分なサイズとした。
新型LMでは静粛感にこだわり、ノイズ低減、遮音、吸音に取り組んだ。ただ、外部からの音を完全にシャットアウトするのではなく、音を適度に反射させることで空間の広がりを感じられるようにした。ルーフヘッドライニングの積層構成を見直し、非吸音としている。
後席の快適性を重視したドライブモード「Rear Comfort」が選択可能だ。リニアソレノイド式アクチュエーターと周波数感応バルブを併用した「周波数感応バルブ付きAVS」の減衰力特性で後席の乗り心地を優先しながら、アクセルやブレーキを統合制御することで加減速時の姿勢変化をより少なくするセッティングとなっている。
CMF-EVベースのコンセプトカー
日産自動車は中国向けEVのコンセプトカー「Arizon」を世界初公開した他、予約販売を開始したe-POWER搭載の「エクストレイル」も出展した。
Arizonは中国で企画されたSUVだ。CMF-EVプラットフォームによって低重心化を図った他、ピラーレス構造や自動調光サンルーフによって開放的な室内空間を実現する。また、「エポロ(EPORO)」というバーチャルパーソナルアシスタントを搭載する。乗員に合わせた照明の自動調整などパーソナライズされたもてなしを提供するという。
EVのみで目標を前倒し
ホンダはEVの「e:Nシリーズ」のラインアップに加わる「e:NP2/e:NS2 Prototype」「e:N SUV 序」を世界初公開した。中国では2027年までにホンダブランドのEV10車種を投入する予定だ。e:Nシリーズを拡充することで、これまでの目標を前倒しして2035年までにEVの販売比率を100%にする。従来は2040年までにEVとFCV(燃料電池車)の販売比率を100%にする目標を掲げていた。
e:NP2/e:NS2 Prototypeは2024年初めに発売する予定だ。e:N SUV 序をベースにした量産モデルは2024年内の市場投入を計画している。
e:NP2/e:NS2 Prototypeはこれまで培ってきたダイナミクス技術で人とクルマが一体となった独自の運転の楽しさを提供するとともに、Honda CONNECT 4.0などの先進装備を採用する。e:N SUV 序はEV専用のプラットフォーム「e:N Architecture W」を初採用するモデルとなる。
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