金属3Dプリンタの導入割合や最も多い用途とは、調査で浮かび上がる金属AM動向:MONOist読者調査(2/2 ページ)
MONOist編集部は「金属3Dプリンタ動向調査」を実施した。調査期間は2023年3月9〜22日で、有効回答数は355件だった。本稿ではその内容を抜粋して紹介する。
保有している金属3Dプリンタの方式、用途、導入に至った理由
金属3Dプリンタを保有していると答えた回答者に、保有している金属3Dプリンタの方式を尋ねた(複数回答可)。床に敷き詰めた金属粉末にレーザーを当て、溶融と凝固を繰り返して造形する「レーザーパウダーベッド(PBF)」が65%で最も多かった。さらにレーザーではなく電子ビームを照射する同様の方式の「電子ビームPBF」も7.5%あった。
噴射した金属粉末にレーザーを当て、溶融と凝固を繰り返して造形する「パウダーDED」は17.5%だった。粉末ではなく金属ワイヤーを供給し、レーザーなどを照射する「ワイヤーDED」も7.5%だった。
床に敷き詰めた金属粉末に結合剤(バインダー)を噴出し、熱処理を加えて造形する「バインダージェット」は10%、溶接機器で連続的に溶接ワイヤとシールドガスを供給して積層する「アーク溶接」は2.5%だった。
金属3Dプリンタの用途(複数回答可)は、「試作研究」が72.5%で最も多く、「金型製作」が22.5%、「異種金属の接合・溶接」が10%、「金型補修」が7.5%、「受託加工サービスの提供」が7.5%、「完成品の製造」が5%、「コーティング」が2.5%だった。
導入に至った理由でも「外注ではなく自社で開発および製作をしたかった」や「研究所での試作、研究品の製作」「自社でスピード感を持って開発を行うため」「試作工数低減」「試作費用の削減」「部品試作」などが試作研究用に関するコメントが多く寄せられた。一方で、実製品活用がまだまだ進んでいないこともうかがえた。
その他、今回の調査では金属3Dプリンタ導入の障壁や希望購入価格帯、導入前の受託加工サービス利用の有無、金属3Dプリンタ導入後の課題などについても回答を得ている。
その他、今回の調査では次のような質問も訪ねている。日本企業の金属3Dプリンタに関する動向、意識の一端を見ることができる内容になっている。
- 金属3Dプリンタ導入の障壁
- 金属3Dプリンタの希望購入価格帯
- 金属3Dプリンタ導入前の受託加工サービス利用の有無
- 金属3Dプリンタ導入後の課題
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