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最新金属3Dプリンタが出そろったJIMTOF2022、海外のノウハウ先行に警鐘鳴らす声もJIMTOF2022(1/2 ページ)

「第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)」(2022年11月8〜13日、東京ビッグサイト)では特別企画として、AM(Additive Manufacturing、積層造形)エリアが設けられ、多くの企業が金属3Dプリンタの最新機種を出展した一方で、日本の現状に危機感を訴える声もあった。

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 「第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)」(2022年11月8〜13日、東京ビッグサイト)では特別企画として、AM(Additive Manufacturing、積層造形)エリアが設けられ、多くの企業が金属3Dプリンタの最新機種を出展した。一方で、日本の現状に危機感を訴える声もあった。

デモンストレーションや実機に見入る来場者

 三菱電機はワイヤ材を使ったレーザーDED(Directed Energy Deposition)方式の金属3Dプリンタ「AZ600」を出展した。同機は自社製レーザー発振器を搭載しており、出力は2kWと4kWのラインアップがある。最大対象ワークサイズは径500×500mm。

 空間同時5軸とワイヤ送給やレーザー出力などの加工条件をCNCで協調制御する世界初のデジタル造形技術により、安定的かつ高品質な3次元造形を可能にした他、複雑な溶接経路を空間同時5軸制御することで、従来は熟練者の手作業に頼っていたTIG溶接の代替にもなるという。

 ブースでは円筒状の材料にプロペラを造形するデモンストレーションを披露し、機内の高さセンサーで計測を繰り返しながら造形していく様子を、多くの来場者が足を止めて見ていた。


三菱電機の「AZ600」のデモンストレーションには人だかりが[クリックして拡大]

日本電産マシンツールのブースに登場した本体高さ1.4mの造形サンプル

 日本電産マシンツールはパウダーレーザーDED方式の「LAMDA500」を展示した。5軸機能を標準搭載し、最大造形サイズは500×500×500mm。ニデックオーケーケー(旧OKK)の5軸制御マシニングセンタを母機とし、金属3Dプリンタに必要な機能を追加した。

 局所シールドガスで大気の巻き込みを防止し、造形材料の酸化を防ぐローカルシールド機能は、ノズルの改良によって従来機比45倍までシールドエリアを拡大した。

 量産用途として注目されているバインダージェット方式の「DM P2500」の実機も披露した。バインダージェット方式は敷き詰めた金属粉末に結合剤を噴射して固形化し、焼結して造形する。スウェーデンのDigital Metalが製造している。

 最大造形サイズが2000×1500×1600mmの「LAMDA2000」による、高さ1.4mのチタンロケットをサンプルとして並べ、ロケットを見上げる来場者の姿もあった。


日本電産マシンツールの「LAMDA500」[クリックして拡大]

 松浦機械製作所は改良を加えたレーザーパウダーベッド方式のハイブリッド金属3Dプリンタ「LUMEX Avance-25」を披露した。ソフトウェアのデータ処理方法を見直し、造形と切削のそれぞれに掛かる時間を短縮し、生産性が向上した。最大工作物寸法は標準で256×256×185mmで、粉末材料を入れるホッパー容量を増量し、余剰粉末も60%削減して週末や夜間の無人運転への対応を進めた。

 出来上がったワークの品質検査を行うため、試験片を同時に造形したサンプルワークをブース上で紹介した。これにより造形物本体の検査を試験片で代替でき、切削加工とは異なる品質保証への対応策の1つとなる。

松浦機械製作所の「LUMEX Avance-25」(左)と、同機による造形サンプル(右)[クリックして拡大]

 DMG森精機のブースではレーザーパウダーベッド方式の「LASERTEC 12 SLM」が並んだ。最大造形サイズは125×125×200mmで、1μm未満の位置決め精度を持つ一体型リニアスケールにより、高精度な金属積層を実現する。また、35μmの最小レーザスポット径により、格子構造のような複雑形状部品でも高精度に造形可能だ。オプションとして、迅速に粉末材の交換が可能なパウダーモジュールシステム「rePLUG(リプラグ)」を搭載できる。


DMG森精機の「LASERTEC 12 SLM」[クリックして拡大]
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