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日常的な外部刺激で、肌の潤いに必要な結合型セラミドが減少:医療技術ニュース
大正製薬は、ヒト三次元培養表皮を用いて、結合型セラミド量と肌バリア機能の評価系を構築した。これを用いて、肌の潤いに必須な結合型セラミドが、紫外線など肌が日常的に受ける外部刺激によって減少することを明らかにした。
大正製薬は2023年3月2日、肌の潤いに必須な結合型セラミドが、紫外線など肌が日常的に受ける外部刺激によって減少することを明らかにしたと発表した。北海道大学との共同研究による成果となる。
結合型セラミドは、角層細胞の表面に存在する、長い鎖状構造の特殊なセラミドのこと。角層細胞と角層細胞間脂質をつなぎ留め、肌バリア機能に重要な役割を担っている。
大正製薬では、ヒト三次元培養表皮を用いて、結合型セラミド量と肌バリア機能の評価系を構築。これを用いて、紫外線や洗剤などに用いられる化学物質SLS(ラウリル硫酸ナトリウム)など、日常的な外部刺激の肌への影響を評価した。その結果、外部刺激を受けた肌では、肌バリア機能が低下することが分かった。
外部刺激を受けたヒト三次元培養表皮中では、一般的な遊離型セラミドのNSタイプに比べ、結合型セラミドのP-OSタイプが大幅に減少していた。
結合型セラミドは、先天性魚鱗癬など肌の乾燥や肌バリア機能に異常をもたらす疾患との関連が指摘されてきた。今回の結果から、紫外線などの外部刺激により減少することが明らかとなった。
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