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米国で燃料アンモニア製造設備の建設を検討、複数の製造系列で年間1000万tを生産:工場ニュース
三菱商事とRWE Supply & Trading、LOTTE CHEMICALは、米国のテキサス州コーパスクリスティ港で、燃料アンモニアの製造事業に向けた共同調査を開始する。アジアや欧州向けの輸出を目指し、アンモニアの製造設備や出荷設備の建設を検討している。
三菱商事は2023年2月8日、RWE Supply & Trading、LOTTE CHEMICALとともに、米国のテキサス州コーパスクリスティ港で、燃料アンモニアの製造事業に向けた共同調査を開始すると発表した。3社が合意した、大規模かつ安定的な燃料アンモニアのサプライチェーン構築のための戦略的アライアンスの一環となる。
今回の共同調査では、製造時のCO2を回収し、貯留して処理するブルーアンモニアと、再生可能エネルギーを用いて製造するグリーンアンモニアの製造設備および出荷設備の建設を検討する。同製造事業は、複数の製造系列で年間最大1000万t(トン)の燃料アンモニアの製造を予定しており、3社共同でその製造計画を策定し、2030年までに初号製造系列の生産開始を目指す。
三菱商事は、1960年代後半から、アンモニアのトレーディング事業に携わっている。その知見とエネルギーサプライチェーン構築の経験を生かし、燃料アンモニアを日本へ導入するため、世界中でクリーンエネルギーの開発に取り組んでいる。2022年には、コーパスクリスティ港湾当局との間で、燃料アンモニア製造の検討に向けた土地の活用について合意した。今後、3社による共同開発を通じて、日本や韓国、欧州地域への輸入を目指す。
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