NEDOがCO2フリーのブルーアンモニアを製造する技術開発に着手:脱炭素
新エネルギー・産業技術総合開発機構は、燃焼時にCO2が発生しないアンモニアを燃料とする「燃料アンモニア利用・生産技術開発」事業で、ブルーアンモニア製造の技術開発を開始した。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2022年11月15日、燃焼時にCO2が発生しないアンモニアを燃料とする「燃料アンモニア利用・生産技術開発」事業で、ブルーアンモニア製造の技術開発を開始したと発表した。天然ガスを改質して水素やアンモニアを製造する際に発生するCO2を分離、回収し、CO2フリーのブルーアンモニアを製造する技術開発に取り組む。
政府が宣言した「2050年カーボンニュートラル」の達成に向けて、エネルギーとして利用される水素やアンモニアの重要性が高まっている。アンモニアは燃焼時にCO2を排出しないため、発電所や工業炉の燃料となれば、CO2排出量の削減につながる。しかし、天然ガスなどを原料とするアンモニアは製造時にCO2が発生し、製造過程での脱炭素化が必要となる。
今回の技術開発では、まず、INPEXが保有する新潟県柏崎市東柏崎ガス田において、水素製造設備やアンモニア製造設備、CO2回収設備を建設。その後、既設のパイプラインを通して、INPEXの南長岡ガス田で生産した天然ガスを東柏崎ガス田に輸送し、ブルー水素を製造する。
ブルー水素は、天然ガスや石炭などを改質して水素を製造する際に発生するCO2を、大気放出する前に回収、貯蔵することで生産される水素だ。製造したブルー水素は、一部をブルーアンモニアの製造に使用し、その他を発電に利用する。水素やアンモニアの製造時に生産されたCO2は、大気中に放出せず、分離、昇圧して回収する。
INPEXでは、エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)と共同で、枯渇ガス貯留層へのCO2圧入とガス増進回収技術に関する研究を実施する。同研究で回収したCO2をガス生産が終了した貯留層へ地下圧入することでCO2排出量を削減し、低炭素化したブルーアンモニアを製造する。
NEDOはINPEXと共に、天然ガスを原料とした水素およびアンモニアの製造からCO2分離、昇圧まで、一連の過程において各要素技術を実証する。
なお、同事業の期間は2022〜2025年度となっている。
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