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日本製鉄と三菱商事など、製鉄所が排出したCO2の海外貯留を共同検討へ:脱炭素
日本製鉄と三菱商事、ExxonMobil Asia Pacificは、アジアパシフィック圏内でのCO2回収および貯留、CCSバリューチェーン構築に向けた共同検討に関する覚書を締結した。
日本製鉄は2023年1月25日、三菱商事、ExxonMobil Asia Pacific(エクソンモービル)と、アジアパシフィック圏内でのCO2回収および貯留(Carbon Capture and Storage:CCS)、CCSバリューチェーン構築に向けた共同検討に関する覚書を締結した。
今回の覚書に基づき、日本製鉄の国内製鉄所で排出されるCO2回収に関する調査や必要な設備開発の評価を実施する。エクソンモービルは、オーストラリアやマレーシア、インドネシアなどのアジアパシフィック圏でのCO2貯留先の調査に取り組む。また、三菱商事による海外へのCO2輸送、CCSバリューチェーン構築に向けた評価を実施する。
なお、日本製鉄では、今回の取り組み以外でも、CCS分野における他社との協業を実施している。今後、サプライチェーン全体で、カーボンニュートラル推進のための技術開発を進める。
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