管理職を希望しない女性の5割が「100%仕事に時間を使えるなら希望する」:キャリアニュース
「しゅふJOB総研」が「女性管理職」をテーマにしたアンケート調査結果を発表した。「管理職を希望しない」と回答した女性のうち、52%が「100%仕事のために時間を使えれば管理職を希望する」と回答した。
ビースタイル ホールディングスが運営する調査機関「しゅふJOB総研」は2023年2月1日、「女性管理職」をテーマにしたアンケート調査結果を発表した。
同調査の対象者は、ビースタイル スマートキャリアおよび求人サイト「しゅふJOB」の登録者で、女性596人から有効回答を得た。「もし結婚や出産をしても家庭の制約がなく、100%仕事のために時間を使うことができるとしたら、管理職になることを希望しますか」と尋ねたところ、「管理職を希望する」が15.4%、「条件によっては管理職を希望する」が49.0%となり、64.4%が100%仕事に時間を使えれば管理職を希望することが分かった。
次に「現状」と「100%仕事に時間が使えた場合」を比較した。その結果、現在の状況で「管理職を希望する」と回答したのは1.8%、「条件によっては管理職を希望する」と回答したのは24.7%となり、現状で管理職を希望するという回答は26.5%にとどまった。
現状において「管理職は希望しない」と回答した女性に「もし結婚や出産をしても家庭の制約がなく、100%仕事のために時間を使うことができるとしたら、管理職になることを希望しますか」と尋ねたところ、「管理職を希望する」は7.5%、「条件によっては管理職を希望する」は44.5%となり、「管理職は希望しない」と回答した女性の52.0%が、100%仕事に時間を使えるなら管理職を希望することが分かった。
子どもがいない女性よりもいる女性の方が管理職希望が多い
次に、現状で管理職を希望するかという質問に対する回答を、子どもの有無別に比較した。子どもがいないと回答した人は「管理職を希望する」が1.8%、「条件によっては管理職を希望する」が22.1%となり、現状で23.9%が管理職を希望することが分かった。
一方、子どもがいると回答した人は「管理職を希望する」が1.9%、「条件によっては管理職を希望する」が25.3%となり、現状で27.2%が管理職を希望することが分かった。現状で管理職を希望する人は、子どもがいる人の方がやや多くなっている。
続いて、100%仕事に時間が使えた場合に管理職を希望するかを、子どもの有無で比較したところ、子どもがいない人は「管理職を希望する」が11.5%、「条件によっては管理職を希望する」が41.6%となり、53.1%が100%仕事に時間が使えた場合に管理職を希望することが分かった。現状の「希望する」と比較して+29.2ポイントの差がついている。
子どもがいる人は「管理職を希望する」が16.4%、「条件によっては管理職を希望する」は50.7%となり、67.1%が100%仕事に時間が使えた場合に管理職を希望していた。現状の「希望する」との差は+39.9ポイントとなった。
しゅふJOB総研の研究顧問 川上敬太郎氏は、「管理職は希望しない」と回答した人の半数以上にとって、「結婚や出産で家庭の制約があり、100%仕事のために時間を使うことができない」ことが管理職を希望しない理由になっていると見る。
また、子どもがいない人よりもいる人の方が、100%仕事に時間が使えた場合に管理職を希望する人が多いことを受け、「各ご家庭はもちろん、各職場においても、仕事と家庭の両立は女性の役割という前提を取り払うことが、女性が管理職を希望しやすくなる最も大きなポイント」としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 個人も企業も「リスキリング制度の充実が転職先選定に影響を与える」と回答
転職サービス「doda」が「リスキリング」をテーマにした「ビジネスパーソンと企業の転職意識ギャップ調査」の結果を発表した。個人の8割以上、企業の約7割が「リスキリング制度の充実で転職先への志望度合いが上がる」と回答した。 - 3Dスキャナーの活用とデジタルエンジニアの育成
連載第7回は「3Dスキャナー」を題材に、形状品質の検査(CAT:Computer Aided Testing)やリバースエンジニアリング(RE:Reverse Engineering)での活用とそのポイント、そして3Dスキャナーを適切に使いこなせるデジタルエンジニア育成の重要性について説く。 - 若手人材の離職に「課題を感じる」と人事担当者の63%が回答
「HR総研」が若手人材の離職防止に関する調査結果を発表した。若手人材の離職に「何らかの課題感がある」と63%が感じていた。課題感の内容として、大企業は「採用、教育コストの損失」、中堅中小企業は「次世代リーダーの育成の停滞」を挙げた。 - 3社に1社が「仕事以外でのコミュニケーション減が1年目社員に影響」
学情が「仕事以外でのコミュニケーション」に関する調査結果を発表した。仕事以外でのコミュニケーションが減っていることについて、入社1年目の社員の活躍に「影響がある」と3社に1社が回答した。 - 職場でやる気をなくした瞬間に「エンゲージメントが低下」と85%が回答
職場風土づくりによる「職場でやる気がなくなった瞬間」に関する意識調査において、やる気をなくした瞬間に「エンゲージメントが下がった」と85%が回答した。やる気をなくした瞬間の最多回答は「結果に対して正当な評価が得られない」だった。 - 設計者とデザイナーの対立はあるか?
製品開発に従事する設計者を対象に、インダストリアルデザインの活用メリットと実践的な活用方法を学ぶ連載。第1回は「設計者とデザイナーの対立はあるか?」をテーマに、対立構造を解消し、より高度な協業を実現するために必要な考え方を整理する。