繰り返し使用できるバッテリーレス漏水センサー、CLEAN-Boost技術で電源を創出:FAニュース
エイブリックは、同社のCLEAN-Boost技術を採用したバッテリーレス漏水センサーに、「センサーリボンII」として3種を追加し、販売を開始した。繰り返し使用でき、メンテナンスの手間とコスト削減につながる。
エイブリックは2023年1月17日、CLEAN-Boost技術を採用したバッテリーレス漏水センサーに「センサーリボンII」を追加し、販売を開始した。0.5mの「S-CBSSAABI-201」、2.0mの「S-CBSSAABI-202」、5.0mの「S-CBSSAABI-203」の3種となる。繰り返し使用でき、メンテナンスの手間とコスト削減につながる。
同社の独自技術であるCLEAN-Boostは、IoT(モノのインターネット)デバイスの電源を電池なしで作り出せる。周りの環境にあるわずかなエネルギーを電力に変換するエナジーハーベストに適した技術だ。
同技術を採用したバッテリーレス漏水センサーは、電源不要で水滴レベルの水漏れを検知できる。電池交換の手間がかからず、無線式のため、通信配線の敷設工事も不要だ。後付けで、既存の建物や設備に簡単に設置できる。
従来品の「センサーリボンI」は繰り返して使用できず、一度漏水を検知すると新しいセンサーリボンに交換しなければならなかったが、センサーリボンIIは、繰り返し使用可能で、リボンが漏水などでぬれてしまった場合も、一定期間は繰り返し使用できるため、リボン交換の手間とコストを削減できる。
設置場所は、センサーリボンIと同様に、配管への巻き付け、壁や床への敷設などさまざまな場所に対応。遠隔地の配管やインフラ設備などの漏水検知にも利用可能で、設置場所や漏水の状況に応じて、センサーリボンIもしくはIIを選択し、無線タグやオプション品の死活監視タイマーと組み合わせて使用できる。
25℃、40%RHの環境で、導電率200μS/cmの上水を新品のセンサーリボンで検知した場合、最小検知水量が100μlと水滴レベルの微量の水で高感度に検知できる。また、同じ状況下での300μlの検知時間は最大60秒。センサーリボンの連結は20mまで対応する(40℃、RH90%)。
検知温度は5℃〜85℃。寸法は0.5m S-CBSSAABI-201が740×13×5mm、2.0m S-CBSSAABI-202が2240×13×5mm、5.0m S-CBSSAABI-203が5240×13×5mmとなっている。なお、バッテリーレス漏水センサーには受信機が別途必要となるほか、センサーリボンIIは、無線タグと組み合わせて使用する。
一般住宅や集合住宅、商業施設、インフラ設備、工場設備、制御室、サーバルームなどの配管や設備からの水漏れ、建築物の雨漏りなどの検知に適している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 無人通信施設の漏水監視に採用された、バッテリー不要の漏水センサー
エイブリックの「バッテリーレス漏水センサー」が、東日本電信電話の無人通信施設に採用された。漏水した設備や場所を遠隔地から監視、制御でき、敷設工事やメンテナンスが不要なため、保守作業員の負担低減に貢献する。 - 土壌発電や水分発電などの実用化を促進する実験キットを発売
エイブリックは、CLEAN-Boost技術実験用の土壌発電キットと水分発電キットをセットにした「バッテリーレス無線センサー実験キット」を発売した。身の回りの微小エネルギーを集めて電力に変換する技術の実用化を促進する。 - スマートファクトリー化がなぜこれほど難しいのか、その整理の第一歩
インダストリー4.0やスマートファクトリー化が注目されてから既に5年以上が経過しています。積極的な取り組みを進める製造業がさまざまな実績を残していっているのにかかわらず、取り組みの意欲がすっかり下がってしまった企業も多く存在し2極化が進んでいるように感じています。そこであらためてスマートファクトリーについての考え方を整理し、分かりやすく紹介する。 - 工場のリモート対応は2022年も加速、映像活用拡大もネットワーク環境が課題に
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)以降、多くの業務のリモート化が進められてきたが、これまで「現地現物現実」が基本として徹底されてきた製造現場でも部分的にリモート対応を取り入れる動きが広がってきた。2022年はこうした仕組みの整備が進み、さらにより広く取り入れられる見込みだ。 - コロナ禍で進んだ「リモート工場」、何ができて何ができないのか
成果が出ないスマートファクトリーの課題を掘り下げ、より多くの製造業が成果を得られるようにするために、考え方を整理し分かりやすく紹介する本連載。第13回では、コロナ禍で注目度が高まった生産のリモート対応について解説していきます。 - コロナ禍で加速する製造現場のリモート化、「現地現物現実」をどう再現するか
COVID-19により特に人の移動が制限されていることから、「リモート化」の推進はあらゆる業務で必須となってきている。こうした中で従来とは大きく異なってきているのが「現地現物主義」が徹底的に進められてきた「製造現場のリモート化」である。