連載
【ケース9】3Dデータのファイル名と版数はどういう関係であるべきか?:設計現場のデータ管理を考える(9)(3/3 ページ)
連載第9回は、PDMシステムによる効果的な3Dデータ管理に必要な「ファイル名と版数が結び付く名称設定」をテーマに、3Dデータのファイル名と版数はどういう関係であるべきかを考える。
ファイル名に版数を含める場合
続いて、ファイル名に版数を含める場合、PDMシステムのシステム版数(Ver)では管理できません。
CDMから見える部品の置き換え後の構成は次のようになります。
・新しい組立図ファイルCRB-A-00200-01-00ができる
・親からのリンクは手動で付け直す必要がある
・CRB-B-00165-01-00と、CRB-B-00165-01-01は、CDM上では別ファイルであるため、それぞれ更新することが可能
PDMシステムの運用で理想的なファイル名は版数なし/ありのどっち?
推奨は「版数を含めない」ファイル名です。バージョンを管理することを重要視し、システム版数を自動設定する運用が理想的だと考えます。
3D CADでは、ファイルのプロパティと2D図面へのリンクを行います。版数ありの場合は、CADファイル自身が持つプロパティによって、ファイル名=図面番号の設定を行うことが容易です。一方、版数なしでは、ファイル名はあくまでも同じなので、CADファイル自身ではユニークな図面番号を設定できないものの、データベースが持つプロパティをCAD図面の図枠中に書き込むことができます。このプロパティを活用する方法は他にも考えられますので、CADからアクセスするのか、データベースからアクセスするのかなど、自社の運用方法を含めてファイル名の付け方を十分に検討してください。
次回は、フォルダ管理からPDMシステムへの移行方法について解説します。 (次回へ続く)
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