日立オートメーションとKyoto Roboticsを合併、日立がロボティクスSI事業を強化:製造マネジメントニュース
日立製作所は、インダストリアルデジタルビジネスユニットのグループ会社である日立オートメーションとKyoto Roboticsを2023年4月1日付で合併すると発表した。
日立製作所(以下、日立)は2023年1月30日、インダストリアルデジタルビジネスユニットのグループ会社である日立オートメーションとKyoto Roboticsを同年4月1日付で合併すると発表した。日本国内とASEANにおける、産業用ロボットを活用したラインビルディング事業(ロボティクスSI事業)を強化する狙いがある。
両社の合併では、日立オートメーションが存続企業となる。本社は、現在の日立オートメーションと同じ東京都千代田区外神田1丁目に置き、代表取締役社長も佐竹英夫氏が引き続き務める。従業員数は、2022年4月1日時点の200人からKyoto Roboticsの合併により250人に増える。事業内容も「製造業を中心とした各種産業分野向けロボティクスSI事業」から、「製造、ロジスティクス分野向けロボティクスSI事業、知能ロボットビジョンシステムの開発・販売」に変更される。資本金は3億円のままで合併後も変更はない。
今回の合併により、日立オートメーションが持つ製造/ロジスティクス分野におけるロボティクスSI事業のフロントエンジニアリング力と、99.99%の認識精度を有する3次元ビジョンなどKyoto Roboticsの知能ロボットビジョンシステムの差別化技術、さらに日立のインダストリアルデジタルビジネスユニットが有するOT(制御技術)/IT領域のデジタルソリューションや研究開発グループの持つ開発力を組み合わせて、自動化やDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する製造/物流業の顧客に対する総合提案力の拡充を図る。また、国内のロボティクスSI事業に関する顧客基盤やノウハウ、人財などのリソースを集約して、営業および開発の機能を強化し、高効率な事業運営を行えるようにする。
日立のロボティクスSI事業は、2019年4月に買収した米国のJRオートメーションを中心に北米と欧州での強化を進めてきた。今回の合併を契機に、日本国内とASEANを対象にロボティクスSI事業を展開する日立オートメーションの機能を強化するとともに、JRオートメーション社との連携をさらに強めることで、ロボティクスSI事業のグローバルリーダーを目指す方針である。
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