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パナソニックが自動車部門のCO2排出を実質ゼロに、今後は年3%の省エネを継続:脱炭素(2/2 ページ)
パナソニック オートモーティブシステムズは、グローバルの全拠点でCO2排出実質ゼロを達成した。
草津工場
コンプレッサーを生産する草津工場(滋賀県草津市)では、生産設備の固定エネルギーに着目し、設備の使用エネルギーの最少化に取り組んだ。クーリングタワーの配管を統廃合することで整流化するとともに、洗浄装置の排熱の活用、乾燥炉の断熱強化によって、年間3%以上の省エネを実現した。
白河工場
車載カメラ向けにクリーンルームを持つ白河工場(福島県白河市)では、空調の省エネが課題となった。クリーンルームの空気の流れを解析し、温度のばらつきがないよう最適な気流制御にすることで、大幅なエネルギー削減を実現した。また、納入先の生産変動に対応したオペレーションや省エネ機器の積極的な導入により、年間3%以上の省エネ効果を生み出した。
敦賀工場
電子部品を生産する敦賀工場(福井県敦賀市)は、現場革新の先行拠点としてオペレーション改革とCO2排出削減を連動させて取り組んでいる。熱を多く使用する工程の待機電力をフル活用するため、他拠点の生産を取り込むなどして稼働率を高め、1製品当たりのCO2排出を43%削減することに成功した。
今後、再エネの調達依存率を下げていくため、太陽光発電の導入拡大を進める他、水素と燃料電池、地熱発電などの活用も検討している。さらなる省エネのため社内のノウハウや実績を生かした環境技術を活用する。生産設備と原動設備をAI(人工知能)で連携制御することで使用エネルギーを最少化する他、排気熱循環向けに排気熱中の不純物を電解で除去する。さらに、ヒートポンプを工場で活用するために高温領域に対応させる技術を開発中だ。
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