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自動車内装用途で需要拡大しスエード調人工皮革の生産設備増強、投資額は100億円:工場ニュース
東レは、スエード調人工皮革「Ultrasuede」の生産設備を滋賀事業場と岐阜工場で増設する。設備投資額は約100億円で、2024年後半に稼働を開始する見通しだ。
東レは2023年1月12日、スエード調人工皮革「Ultrasuede」の生産設備増設を発表した。滋賀県大津市の滋賀事業場と岐阜県神戸町の岐阜工場で生産設備を増設し、生産能力を現在の年産約1000万m2から約1500万m2に高める。設備投資額は約100億円で、2024年後半に稼働を開始する見通しだ。
高感度かつ高機能なUltrasuedeは、ファッションやインテリアをはじめ、最近では自動車内装用途での需要が増えている。特にEV(電気自動車)では、シンプルでデザイン性が高い内装が多く、環境配慮の観点から天然皮革の使用を避ける傾向がある。そうした背景からUltrasuedeが導入されるようになり、従来のシート材に加えて、天井材やドアトリム、インパネなどへと採用部位が広がった。
自動車生産台数は今後も安定的に成長し、採用部位の拡大、天然皮革の代替需要も増していることから、同社はUltrasuedeの需要が主に自動車用途で大きく拡大すると見込んでいる。2019年には、生産能力を従前の約1.6倍となる年産約1000万m2に増強しているが、それをさらに強化し、早期段階からフル稼働させる計画だ。
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