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実用版5Gコアネットワークを共同開発、低コストでのローカル5G導入に期待:製造ITニュース
富士通、東京大学、インターネットイニシアティブ、APRESIAは、国産化および低コスト化した「実用版5Gコアネットワーク」を共同開発した。さまざまな産業分野でのローカル5Gの普及促進に貢献する。
富士通は2022年11月24日、東京大学、インターネットイニシアティブ(IIJ)、APRESIAと共同で、5Gコアネットワーク(5GC)の国産化および低コスト化に成功したと発表した。新エネルギー・産業技術総合開発機構の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業/先導研究(委託)」における成果だ。
携帯電話網の制御ソフトウェアである5GCは、特定エリア内で利用される5G通信網「ローカル5G」の活用拡大のため、国産化、低コスト化が求められてきた。
今回の共同開発では、オープンソースソフトウェアを基に商用レベルの機能や性能、安定性を備えた実用版の5GCを開発。さらに、5GCに既存の知財を組み合わせて、より高度なデータ転送や経路を選択する機能(UPF)を開発し、特許出願した。
実用版5GCが社会実装されれば、ローカル5Gが従来よりも低コストで導入可能になり、さまざまな産業分野でローカル5Gの普及が進むことが期待される。また、複数のローカル5Gと大手通信キャリアが提供する5Gを組み合わせて、単独のローカル5Gではカバーできない広い通信環境を構築可能になる。
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